昭島の動物シェルター、顔面損傷の猫など相次ぐ救援依頼-支援呼び掛ける

餌に反応しないため強制給餌をうける「昭島ピーポ君」

餌に反応しないため強制給餌をうける「昭島ピーポ君」

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 昭島の動物シェルター「RJAV被災動物ネットワーク」(昭島市中神3)に動物受け入れが相次ぎ、現在、医療費などの支援を呼び掛けている。

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 同ネットワーク代表の佐藤厚子さんは東日本大震災後から福島県に入り、警戒区域の犬猫の保護活動を行ってきた。現在は昭島でシェルターを開設し、犬猫の保護と里親探しをしている。

 佐藤さんの元へは、各地から動物の救援依頼が入る。昨年7月に保護した富士山頂の迷い犬「富士男」をはじめ、福島へ除染作業に出掛ける多摩川河川敷の生活者が世話していた「姫ちゃん」と「多摩男」、あきる野市の自力で立てない老犬などの保護が続いている。

 昨年12月末に昭島警察署から保護依頼が入った猫は、強い打撃を受けたためか頭部・顔面が腫れ、目の位置がずれ、口唇破裂など激しい顔面損傷があった。内臓に損傷はなく人為的な打撃も考えられるという。現在は目・口・鼻からの出血も止まり顔面の腫れも改善されたが、視力がなく匂いも感じないためか餌に反応しないため、強制給餌を行っている。口の中を傷つけないよう注射器で口に入れ、喉や胸をさすり嚥下(えんげ)を促す。損傷のために目と鼻がつながっているので、鼻から餌が出てむせてしまうことも多いという。佐藤さんはこの猫を「昭島ピーポ君」と名付け、給餌、投薬、水分補給を一日3~4回行うなど手厚い看病をしている。

 同シェルターには現在76匹の犬猫がおり、佐藤さんは睡眠時間の確保も難しい状況。「『責任』として、動物の最後まで面倒を見る覚悟でやっている」と佐藤さん。ボランティアの手助けはあるもののスタッフは佐藤さん一人で、維持費、治療費、餌代など毎月35万円の出費は自費と支援で賄っている。「実際に動物たちを見て活動を理解していただいた上で、多くの方にボランティアに参加していただければ。動物の生命維持に必要な物資や支援、都内で安価でシェルターを運営できる物件の提供もお願いできればありがたい」

 問い合わせは佐藤さんまで。

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