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ひの社会教育センター、実績45年のコミュニティーデザイン成功記が話題に

「出版記念の集い」の様子

「出版記念の集い」の様子

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 「ひの社会教育センター」(日野市)が今年5月に刊行した書籍が現在、全国で話題を集めている。

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 日野市と「社会教育協会」(日野市)が1969(昭和44)年に開設し、共同運営する同センター。全国で初めて民間の団体が社会教育活動を行う「市民による、市民のための、市民の」施設として、文化・スポーツ・福祉・国際交流など、年間約150の事業で約12万人の幅広い年齢層の市民が活動する拠点となっている。

 「人がつながる居場所のつくり方―日野社会教育センターが実践したコミュニティーデザインの成功」(WAVE出版)と題した同書は、利用者が延べ500万人となる同センターの45年間の実績をまとめたもの。

 副館長の島崎さんは「最近、コミュニティーデザインという言葉が話題になっているが、『地域で人づくりを実現し、その人と人がつながる仕組みをつくること』であり、この本のキーワードでもある。今後、地域で取り組むべき課題は限りなくある。しかし私たちは、どんなに困難な課題でもひたむきに問題解決の信念を持ち、ある限りの知恵を絞れば、解決策は必ず発見できると信じている。事実、私たちは過去半世紀弱、未経験の道を切り開いてきた。これからの日本の未来を支える地域と人のあり方について、今こそ当センターの培ってきた人と人のつながる力のつくり方を書き残し、広く参考になればとの思いから出版した」と話す。

 同書は「子どもたちとの『育て合い』『育ち合い』」「大人の学び合い」「輝くシニアたち」の3章の構成で、各事業に関わる職員17人が執筆した。「初めての経験だったが、執筆者全員自分の想いを伝えようと必死で書いた」と島崎さん。

 初版で4000部が出版され、現在、1000部ほど売り上げる。約20年前に日野市で同センターを利用し、現在は鹿児島市に住む夫婦からは「息子に話を聞いて書店で購入した。そちらには親切な職員や受け入れてくれる仲間がいて、心地よい時間があった。時間がたつにつれ、あんなにお世話になり支えていただいたことを忘れていたが、ますます文化の発信、ほどよいつながり、教え合い学びあう場として大切なセンターになっていくと思う。職員の公私共に全力で温かい家庭のようなセンターにいつまでも輝いてほしい」と手紙が寄せられた。

 島崎さんは「当センターでは『学びたい時が適齢期』としてそれぞれが学び自己実現を果たしている。ここで出会った仲間がつながり、自分たちの学びの場を作るという学びの場であり出会いの場。これからも多くの人たちが集い出会いつながり合う自由な場を作っていきたい。45年間経営的には低空飛行を続けながらなぜ継続することができたか、そのヒントがこの本の中で随所に表現されている。民間の組織が一つの地域で『社会教育』を実践し続けた記録としては『ほかに類を見ない』といっても過言ではないと考えている。この経験がさまざまな地域の町づくりや人間関係に役立てばこの上ない喜び。ぜひ本をお読みいただいて当センターへお越しいただければ」と呼び掛ける。

 7月には「出版記念の集い」が開かれ、歴史を振り返るスライド上映や執筆を行ったスタッフも原稿に関する思いを語った。

 価格は1,512円。全国主要書店、アマゾンなどで販売中。

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