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国分寺で藤森照信さん建築の見学ツアー 自邸「タンポポハウス」初の一般公開も

タンポポハウス内部で、藤森さんを囲んでの質問タイム

タンポポハウス内部で、藤森さんを囲んでの質問タイム

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 国分寺で、建築史家・建築家の藤森照信さん設計の建築を見学する「トタンの家・チョコレートハウス・タンポポハウス見学ツアー」が10月6日・7日行われた。主催はギャラリー「丘の上APT」(国分寺市泉町1)。

屋根にたんぽぽを植えたことから命名された「タンポポハウス」

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 ツアーは、同ギャラリーで現在開催中の藤森照信さんの建築展「たんチョコにらトタン 藤森照信-多摩の住居群」の一環。同ギャラリーの兒嶋さんは「これまで行った6回の企画展の展示は各作家や作品の美術館にいるかのように美しく見え、これが藤森建築の包容力かと納得させられた。毎回、大好評だったのも人々を引きつけてやまない藤森建築の魅力に負うところが大きい。感謝を込めて展示を企画したところ、先生が見学会を発案してくださった」と話す。

 ツアーは各回10人、計6回で、同ギャラリー「トタンの家」と隣接する兒嶋さんの自邸「チョコレートハウス」、市内にある藤森さんの自邸「タンポポハウス」を2時間20分かけて回った。初回に参加したのは30~70代の女性。参加者は普段入ることのできないチョコレートハウス内部で、共同設計者の大嶋信道さんによる建築や素材の特徴、施工の様子などの詳しい説明をメモを取るなど熱心に聞いていた。外から突き出たように見える茶室は特に興味を集め、藤森さんや兒嶋さん、藤森さんの友人らにより貼られた炭塗りの小枝が天井から壁にかけ波紋のように広がる様子に圧倒されるとともに、街を一望できる窓からの眺めに「気持ちいい」との声も相次いだ。

 初めての一般公開となったタンポポハウスでは夫人の藤森美知子さんから、20年前の建設当時に屋根に植えた日本たんぽぽが周辺に今も咲いていること、床板やしっくいなど自然素材の変化の様子などここでしか聞けない話も。参加者は居間兼茶室である主室で、美知子さんがたてた抹茶や藤森さんを囲んでの質問タイムに感激の様子で1時間の滞在を楽しんだ。藤森さんは質問に答える形で、塀を作らなかったこと、洞窟が好きなため壁の上部が丸みを帯びていること、温度変化が少なく風邪をひきにくいことなどについて触れた。

 参加者からは「タンポポハウスに入って藤森さんに直接お話を聞けるなんて夢のような経験だった。国分寺に『丘の上APT』ができて藤森建築が身近になってとてもうれしい。ツアーを企画してくださって本当に感謝している」「実際に建築内部で丁寧な説明をしていただいてありがたかった。随所に藤森さんのこだわり、パワーを感じた。時間とともに変化するのも藤森建築の魅力なので、特に建てられて間もない『トタンの家』の変化が楽しみ」などの声が寄せられた。

 同展は会期中に一周忌を迎える前衛美術家・随筆家の赤瀬川原平の自邸「ニラハウス」を含めた4建築の写真や藤森さんによる手作りマケット(模型)やドローイング、施工の様子を紹介する動画も用意する。

 開催時間は12時~18時。月曜定休。11月1日まで。

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