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立川で180メートルの壁にアート作品 障がいのある作家たちが描く

道路コンクリート塀に描くアール・ブリュット作家の玉川宗則さん

道路コンクリート塀に描くアール・ブリュット作家の玉川宗則さん

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 障がいのある人たちのアート展を開催している「アール・ブリュット立川実行委員会」が1月17日、立飛倉庫(立川市泉町)の道路コンクリート塀に複数の障がいのあるアーティストが原画を描くプロジェクトを始めた。

180メートル続くコンクリート塀

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 「アートでつなぐ多様な個性」をコンセプトに「立飛ウォールペイントプロジェクト・ドリームロード」としてスタートした同プロジェクト。道路沿いに立つ高さ2.7メートル×180メートルに及ぶ長い壁面に、複数のアール・ブリュット作家が原画を描き、2年間にかけて制作に挑戦する。期間は2023年9月末までで、2年間を4期に分け、各期をそれぞれ4パートに分けて32作品を制作していく予定。

 同実行委員会の松嵜ゆかり委員長は「アール・ブリュットをもっと多くの方に知ってもらうために、道行く人がいつでも目の触れることのできる壁画を制作したいと考え、立川出身のアール・ブリュット作家の玉川宗則さんに相談し快諾を頂いたことをきっかけに描ける壁の場所を探し始めた」と経緯を話す。

 場所は、東京地方裁判所立川支部の向かいにある、立飛リアルエステートの持つ倉庫街のエリアの道路沿いに長く続く壁を同企業から提供され実現に至った。同社は、ペンキなどの画材や東京都への許可申請にも尽力し、同プロジェクトを支援する。併せて、壁の塗装については、田島塗装が壁に合った下地のシーラーや道具まで調達して協力。今回、助成金などは一切使わず、地域の企業や人たちの支援・協力だけで実施することになった。歩道誘導員のボランティアスタッフや活動資金援助は引き続き募集している。

 「アーティストたちは障がいがあるため、体調や気分によって描けない日も多いが、生きづらい中を頑張って生きている人たちなので、だからこそ魅力的な作品が描けるのだと思う。障がいのある人が現場で描くのは難しいので『原画ではなくプリントにした方がいいのでは』との声もあった。しかし、原画の持つ力を見てもらい感動を伝えたかった。リアルに描いている姿が見られるのも魅力。殺風景で寂しい道だったこの場所に彩りを与え、通る人たちのコロナ禍で疲れた心に元気を与えられれば」と呼び掛ける。

 第1期の制作期間は、1月17日~28日、2月14日~25日、3月14日~25日。期間中の10時~15時にアーティストによる制作風景を見ることができる。

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