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立川・ジュンク堂書店に「住んでみる」 体力と好奇心の赴くまま本の森に分け入る

思い思いのスタイルで書店での夜を満喫した

思い思いのスタイルで書店での夜を満喫した

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 「ジュンク堂書店 立川高島屋店」(立川市曙町2)で10月29日から30日にかけて、「ジュンク堂に住んでみるツアー2016」が行われた。

本を選ぶ参加者

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 閉店後の店舗に1泊2日の日程で宿泊する同ツアー。ツイッターでの「ジュンク堂に住みたい」という客の声をきっかけに実現した人気イベントで、2014年の東京・内幸町のプレスセンター店、2015年の大阪・千日前店に続き3回目の開催となる。

 当日、閉店後の同店に集まったのは約60倍の倍率から抽選で選ばれた、夫婦や親子、友人同士など18歳~40代の5組10人。参加者が心待ちにする中、22時に同店の下田裕之店長が登場し、「骨の髄まで楽しんでいただけたら」とあいさつ。ツアーがスタートした。

 参加者は、約1000坪あるフロアをゆっくり巡りながら、100万冊余りの蔵書の中から気になった本を手に取っていく。「本の森をさまよってみている。ジャンルにこだわらずピンときた本を手に取った」と多摩市から夫婦で参加したという男性。江東区から娘と一緒に参加したという女性は「最近はこの本と決めてネットで買うことが多かったが、これといった目的もなく本をパラパラと見られる実店舗はいいなと改めて思った。書店の空間が好き」と笑みをこぼす。

 今回、コラボ企業12社が協力。参加者が快適に過ごせるよう、店内には自由に飲食することができる菓子やドリンクをはじめ、劇場や映画館で使われている椅子やラグマットなどを用意。参加者には「着る布団」やエアマット、ルームシューズ、LEDライトなどを進呈した。参加者はラグやエアマットに寝転がって本を読んだり、菓子やお茶で休憩を取ったりするなど、各自が思い思いのスタイルで書店での夜を満喫した。

 翌30日は8時から解散式を行い、参加者に住民票を授与。和やかな雰囲気の中、イベントは終了した。参加者からは、「普段手を出したことがないジャンルの本を読むことができて良かった」「広くて静かで読み放題。めったにできない経験をさせてもらった」「ワクワクして眠れなかった」「夢のようだった」など、満足の声があちこちで聞かれた。

 下田さんは「皆さんほとんど寝ずに、体力と好奇心の赴くままに、棚に分け入って楽しんでいただいている様子を見て、本屋をやっていて良かったなぁと感じている。個人的にも、子どものころから楽しい時も悲しい時も本屋でさまざまな本に出会うことで、頑張ろうと思ったり励まされたりしてきた。本を購入する場所としてだけでなく、そういう場所としての本屋をつくり上げていきたい」と笑顔で話した。

 営業時間は10時~21時。

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