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江戸東京たてもの園で「ル・コルビュジエと前川國男」展 世界文化遺産記念で

前川國男自邸、「東京文化会館」、「東京都美術館」の模型

前川國男自邸、「東京文化会館」、「東京都美術館」の模型

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 都立小金井公園(小金井市桜町3)内にある江戸東京たてもの園で現在、特別展「ル・コルビュジエと前川國男」展が開かれている。

前川國男の自邸

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 主催は江戸東京たてもの園など都の11文化施設を管理運営する公益財団法人「東京都歴史文化財団」(墨田区)。近代建築の巨匠といわれるル・コルビュジエが日本で唯一設計を手掛けた「国立西洋美術館」が2016年に東京都初の世界文化遺産に登録されたことを記念した同展。コルビュジエと、国立西洋美術館の実施設計を担った3人の日本人弟子の一人である前川國男に焦点を当て、前川が設計した「東京文化会館」と「東京都美術館」(以上、台東区)でも写真展、パネル展などを同時開催する。

 同園には前川の自邸が移築保存されている。同展のキュレーションを担当した江戸東京博物館研究員の米山勇さんは「建築家にとって自邸は特別なもの。前川は最先端のモダニズムを木造で楽しみながらチャレンジしている。空間の魔術師でもあるので、空間の立体性を楽しんでいただける建物」と話す。

 同展では前川の自邸の模型と並んで「東京文化会館」と「東京都美術館」の模型も展示する。同園の堀田文さんは「3つの模型がこうして一堂に会すのは初めて。同展では自邸の設計図も展示しているので、実際の建物と一緒に楽しんでいただければ」と呼び掛ける。米山さんは「スケッチも充実させることで前川さんの気迫を感じていただきたいと思った」とも。

 会期初日の5月30日には、報道関係者向けに鑑賞会が開かれ、米山さんから展示説明のほか、同展にかける思いや展示のこだわりなどが紹介された。入り口にはコルビュジエが設計に活用していたオリジナルの寸法体系「モデュロール」を配置し、展示を「ル・コルビュジエと日本の建築家たち」「公共建築のパイオニア」など7つのテーマに分けて紹介。建築家・伊東豊雄さんによる前川の死への追悼文、「公共建築の死」で締めくくられる。

 米山さんは「世界文化遺産は西洋美術館単独の建物ではなく、近代建築の発展に重要な影響を与えたという点が評価されたもの。コルビュジエや前川國男を対比し織り交ぜた展示をすることで、日本の近代建築運動の広がりを知っていただければ」と話す。

 今後、シンポジウムやミュージアムトークなどの開催を予定する(詳細はホームページで確認できる)。

 開園時間は9時30分~17時30分。入園料は一般400円。月曜休園(月曜が祝休日の場合はその翌日)。9月10日まで。

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