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立川のコロナ禍で中止になった「多胎向け両親学級」 オンライン講座で

ふたごちゃんを迎えるためのファミリー講座チラシ

ふたごちゃんを迎えるためのファミリー講座チラシ

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 立川で活動する多胎向けの支援団体「SwingRing(スイリン)~ふたご応援プロジェクト~」が6月27日、コロナ禍で中止となった多胎向け両親学級をオンラインで開催する。

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 同団体は、本年度「立川市協働のまちづくり推進事業補助金」のアイデア提案事業で「多胎家庭を妊娠期から継続的に支え、虐待を防ぐ活動」が採択され、立川市子ども家庭支援センターと協働し、「多胎向けの両親学級」を企画していた。

 代表の中川美織さんは「新型コロナウイルスの感染拡大防止のため開催を断念していた。しかし、立川市が実施する妊娠中の両親学級や歳児検診も全て中止と聞き、『これは必要。―オンラインでやろう』と決意した」と話す。

 オンライン講座は多胎向け両親学級「ふたごちゃんを迎えるためのファミリー講座」で、多摩多胎ネット代表・日本多胎支援協会理事の太田ひろみさんによる「多胎妊娠・出産の基礎知識」の講座のほか、先輩ママへの質問・交流会、産後に使える子育て支援情報などを提供する。Zoomを使うことで、リスクの高い多胎妊婦に多い、安静が必要、入院中などでも、移動せずリラックスした姿勢で受けることができるようにする。

 「多胎の妊娠・出産は単胎児とは大きく違うのに、市や病院で開催される両親学級は『単胎児向け』のものばかり。今回は多胎出産の基礎知識から、産後はどんな生活になるのかという具体的なビジョンの共有まで、多胎妊婦さんが疑問に思うことや不安を払しょくできる講座にした」と中川さん。

「多胎出産は全出産数のわずか1%。マイノリティーであることに加え、慌ただしい日々に追われ、共感できる仲間と出会うこのが難しい。他の家庭と同じように育児することができず、子どもに対して罪悪感を持ったり不安や悩んだりする人が多い。この講座を通して産前から多胎仲間とつながることで、共感できる仲間づくりや行政とつながることもできる」とも。

 中川さん自身も長男と年子で双子の女児を出産した経験者。同団体のメンバーは全員多胎の親で構成している。双子育児のつらかった経験から、「今つらい思いをしている多胎ママのために何かしたい」「私のような思いをする人を一人でも減らしたい」という思いで、自分の育児に少し余裕のできた2016(平成28)年4月に同団体を一人で立ち上げ、少しずつイベントや交流会を始め、今ではスタッフも7人になり多胎支援に取り組んでいる。

 本年度の同事業では、妊娠中の多胎向け両親学級、交流会、多胎フェスを企画中。妊娠期からつながりを作り、産後、交流会(おしゃべり会)に参加しやすくし、引きこもりや虐待防止を図るのが狙い。併せて、多胎フェスを開催し、多胎育児について地域に周知・啓発する予定。

 中川さんは「双子・3つ子の妊娠・出産・育児は未知の世界。『大変』『過酷』…そんなネガティブな言葉を耳にすることも多いが、多胎児だからこその出会いや幸せも数えきれないほど。多胎の出産・育児は妊娠期がとても大切。今、ママの体に何が起きているのか、管理入院や出産後はどうなるのか。今後の生活イメージを持ち準備をしておくことで、心がぐっと軽くなる。オンラインなので、自宅でリラックスしての受講ができる。離れて住む祖父母の皆さまもぜひお誘いいただければ」と参加を呼び掛ける。

 開催時間は9時30分~12時。参加費は、立川市民=無料、市外の人=800円。申し込みはメール(swingringstaff@gmail.com)で受け付ける。

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