井上ぶどう園(立川市富士見町3)で現在、アートイベント「ART in FARM(アート・イン・ファーム)」が開かれている。
「ART in FARM(アート・イン・ファーム)」イベント詳細
「都市農地の可能性を探る」をテーマに、園内に現代美術作品を展示するほか、10月15日・16日にはバーカウンターを設置し、「Barあぐりこ」(曙町)、「バル アラディ」「モリノナカ」(以上、錦町)、「モメント」(武蔵野市)などが出店。木工体験やアイシングクッキーのワークショップも用意するほか、津軽三味線やクラリネット・フルートの演奏も楽しめるようにする。
2007(平成19)年に始まった同プロジェクト。代表の井上洋司さんはランドスケープアーキテクトとして景観設計に携わる傍ら、父親から譲り受けた梨畑を、ブドウ畑とランドスケープで使う植物の実験農場として活用している。「都市農地は生産するだけでなく、街の中に緑があることで、リラックスできたり、街に豊かさをもたらしたりするように感じている。市民の皆さまにも、アートを通じて都市にある農地の多様さを体感する機会になれば」と話す。
ブドウ園には、井上さんがランドスケープの仕事で出会った、「多面的に農地を活用したい」という思いに共感したアーティストによる作品が点在。期間中、自由に鑑賞することができる。
石こうとガラスの作品を展示する升方允子さんは「引き継いだ農地を丁寧に活用している様子に感動して、ブドウ園に残る梨の木の元に、作品の構想を練った作品を展示した」と話す。「以前作った作品とミックスさせることで、ブドウ園の年月と自分の作家活動をリンクさせた。ガラスを通した光が自然に溶け込む景観を楽しみながら、アートの役割である普段の生活では気づかない視点や思考の転換や都市農地を多面的に見るきっかけになれば」とも。
井上さんは「畑で採れたブルーベリーを使ったカクテルや、畑のブドウで作ったワインや食事、アート、音楽などを楽しみながら、身近に農地があることを誇りにもっていただければ」と来園を呼びかける。
開催時間は11時~16時(15日のみ19時まで~。入園無料。今月16日まで。