武蔵野美術大学(小平市小川町1)芸術文化学科の学生らが現在、今秋「馬の博物館」(神奈川県)で開催される「UMARTS 2013~ウマ×アート×ムサビ」展の準備を進めている。
同企画は、同大学芸術文化学科が展開する「アーツプロジェクト」の一つ。同博物館と連携し、若手アーティストが「馬」をテーマとした作品を制作し、展覧会全体を芸術文化学科の学生がプロデュースする。芸術文化学科の楫義明(かじよしあき)教授と杉浦幸子准教授の指導の下、大学1年生から大学院1年生まで17人の学生がプロジェクトをつくり上げていく。
プロジェクトがスタートしたのは、今年5月。6月には、同大学の卒業生、学部・大学院に在学する学生、助手を中心に参加アーティスト15人を決定。同博物館の見学や学芸員によるレクチャーに加え、乗馬なども体験した。
「今回のプロジェクトに参加することで、馬に深い関心を持つようになった。例えば、エルメスといったブランドも、馬に関係があると知り、ディスプレーなども新たな視点で見るようになった」と芸術文化学科4年の大滝杏奈さん。大学院芸術文化政策コース1年の浦志伊知郎さんは「馬という存在が特別な場所でしか感じられないものと思っていたが、リサーチを重ねる中で、人と馬の原始からの関係を知ることができ、馬と人間の関係とその魅力について再認識させられた。今回、僕たちスタッフと、アーティストの感じる馬の魅力が一つになって、一般の方々が馬の魅力について触れられるいい機会になれば」と話す。
指導にあたる杉浦准教授は、「授業を通し学外の企業などと活動することで、大学とは異なる専門性を持った人に出会い、アートデザインが社会の中でどういった役割を果たすことができるのか、経済活動を伴った社会でどういったことが現実的に起こる可能性があるのかなどを学んでいってほしい」と学生たちに期待を寄せる。
今後は、11月2日からの展覧会開催に先立ち、馬文化への理解を深めてもらう同館でのワークショップの開催なども企画する。
また、同大学では、8月17日・18日に「真夏のオープンキャンパス~musabiNAVI~」を開催。今年は初めて、実際に大学生が受けている授業に参加できる「模擬授業」を実施。学内や学科の雰囲気、教員の様子を肌で感じることができるという。
同学科では、実例を交えながら、「アートの持つ特徴を知り、活用することで、どんな人でも社会と人をつなぐことができる」というテーマで講義を行う予定。「アートデザインが社会に対していろいろな可能性を持っていることを知ってほしい。先輩たちもいるので、疑問なこと、不安なことがあったら、気軽に聞いてほしい」と杉浦准教授。
オープンキャンパス開催時間は9時30分~16時30分。