立川シネマシティ(立川市曙町2)で11月5日、現在公開中の映画「湯を沸かすほどの熱い愛」の舞台あいさつが行われ、中野量太監督が登壇した。
同作は、余命2カ月の宣告を受けた宮沢りえさん演じる母が、家族のために死ぬまでにすべきことを実行していく物語。家出した夫を連れ戻し実家の銭湯を再開すること、弱気な娘を強くすること、娘をある人に会わせることなどを遂行。隠れた秘密も明らかになりながら、母は強い意志と愛で家族の結びつきを深めていく。最後は家族が母のために、究極の愛情を込めて葬る印象的なシーンで結ぶ。出演は夫役のオダギリジョーさんのほか、松坂桃李さん、篠原ゆき子さんら。
同作は中野さんのオリジナル脚本であり商業作品1作目。登壇した中野さんは「銭湯は人とのつながりを表現するのにぴったりの場」と話し、「主演の宮沢さんはじめ俳優陣は、無名の自分のオリジナル脚本でも、本を気に入ってオファーを受けてくれた。考えていた以上のキャスティングになった。俳優たちは面白い本を待っていてくれているということがよく分った」とも。
「これだけのキャストがそろい、誰にも負けない作品になったが、規模の大きな映画ではなく、宣伝に力が入れられないことも事実。まだ小さな波しか起こせていないが、皆さんで大きな波に育てていただけたらうれしい。自分の親や家族に見せたくなるようなものが中野映画だと思っている」と中野さんは思いを語った。
料金は一般=1,800円など。シネマシティズン(有料会員)は、平日=1,000円、土曜・日曜・祝日=1,300円など。上映終了日は未定。