買う 暮らす・働く

医療的ケア児の服ブランド「issyoni」 立川の企業が商品化

「issyoni」を制作する社長の廣澤竜騎さんとチーフデザイナーの渡辺友梨子さん

「issyoni」を制作する社長の廣澤竜騎さんとチーフデザイナーの渡辺友梨子さん

 ワイド・リンク(立川市富士見町7)が4月10日、医療的ケア児のためのアパレルブランド「issyoni(いっしょに)」の商品のオンライン販売を始めた。

「issyoni」を着用する渡辺さんの四女 心星(しの)ちゃん

[広告]

 人工呼吸器や胃ろうなど医療的ケアを必要とする子どもが着やすく、おしゃれを楽しめる服の開発を目指す同ブランド。社長の廣澤竜騎さんは三鷹市・八王子市で放課後等デイサービスを運営しており、現場で保護者から衣服に関する困り事を聞いたことがブランド立ち上げのきっかけとなった。

 チーフデザイナーの渡辺友梨子さんは、同社のスタッフで、医療的ケアが必要な子どもを育てる母親でもある。「既製品の取り扱いがなく、自分で前開きに作り替え、呼吸器のホースを固定するバンドを縫い付けてリフォームしていた」と振り返る。家事や仕事、通院の合間に夜なべして服を作る状況は、多くの保護者に共通する課題だという。

 こうした現状を受け、「おしゃれを諦めない服を届けたい」との思いから商品化を決断。「タチカワファッションラボ」(曙町)と連携し、東京都の「多摩イノベーションエコシステム促進事業」の支援を受けて開発を進めた。

 商品は、身体のこわばりなどを持つ子どもも着脱がしやすいように、前開き仕様や柔らかく伸びやすい素材を採用。医療機器のホースを固定できる取り外し可能なバンドや、ホース穴をポケットで隠す工夫を施した。機能性だけでなくデザイン性にもこだわり、「明るく、着心地が良く、かわいい服」を目指したという。

 商品は「綿100% バギー・寝たきりでも着やすい前開きTシャツ」(6,380円)、「(胃ろう・腹膜透析)めくらずにケアできる機能的ポケット付きTシャツ」(7,480円)、「(外縫い・低刺激】縫い目が肌に当たらないTシャツ」(8,030円)。

 渡辺さんは「着脱もしやすく、肌を露出せずにホースが入れられることに感動した。かわいくて着心地のよい服を着て、娘がパッと明るく包まれたようで、いとおしさがあふれ、温かい気持ちになった」と話す。「保護者にとっても、晴れやかで、一緒にお出かけしたくなるような気持ちの余裕が生まれたら」とも。

 廣澤さんは「医療的ケア児は全国で約2万人とされ、増加傾向にある一方で、生活の質(QOL)を支える環境整備は十分とは言えない」と話す。「機能性とおしゃれを両立させることで、自分らしさの表現や生活の楽しみが増え、子どもと家族や社会が『一緒に楽しむ時間』を生み出していければ」と期待を込める。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース