立川市環境対策課(立川市錦町3、TEL042-523-2111)は9月、地域猫と市民との共生を願いパンフレット「ほっとけニャーい」を作成した。
立川市では、市民から「野良猫」に対する苦情がこれまでに多く寄せられていることや、猫は犬のように登録制ではないため飼い主が特定できず、行政としても対策に苦慮していた。心ない飼い主が飼育を放棄したことで捨て猫が繁殖した結果、野良猫が増加したという背景があるが、市として飼い主の義務やマナーの普及啓発を行うだけでは解決しきれないという実情があった。
そこで市は、飼い主が特定できない地域にいる猫(地域猫)に対する活動を行う市民グループ「キャット・ニップ」の考えに賛同し、相互で協力して地域猫について紹介したパンフレット「ほっとけニャーい」を作成した。
キャット・ニップは、2006年から地域猫に対する活動を行っており、その地域の住人らの合意の下に、飼い主のいない猫をこれ以上増やさず、今その地域猫がその生をまっとうするまで、適正に地域猫を管理している。現在管理している猫は23匹。具体的な活動としては、地域猫に対して不妊・去勢手術を自費で行い、餌をやる時間と場所を限定して、食べ残しやフンの始末をしている。
市担当者は「まずは地域猫に対する活動を行っているグループがあるということを知ってもらいたい。確かに、地域猫に対する活動については賛否両論あるとは思うが、今のところ市民からはおおむね好評を得ている。このパンフレットが、市民と地域猫とが共生できるよりよい環境づくりの一助となれば」と話している。
パンフレット「ほっとけニャーい」は立川市役所ホームページからダウンロード可能。