暮らす・働く

一橋大生のまちづくり奮闘記が話題に-10年間の軌跡描く

本書を手にする小川真澄さん(中央)。田中えりこさん(左)、菱沼勇介さん(右)と共に。

本書を手にする小川真澄さん(中央)。田中えりこさん(左)、菱沼勇介さん(右)と共に。

  • 0

  •  

 国立を舞台に一橋大生らが取り組むまちづくりへの奮闘ぶりをまとめた単行本「学生まちづくらーの奇跡 国立発!一橋大生のコミュニティ・ビジネス」(学文社)が1月の発売以来、話題を集めている。

 国立市富士見台に拠点を置き、まちづくりを展開するNPO法人「くにたち富士見台人間環境キーステーション(通称=KF)」が同書の舞台。同NPOは、2003年の設立当初から「産官学民(=商店会・市・大学・市民)」が協力し合うことを基本に活動する。現在は、「Cafe ここたの」や地元野菜の直売所「とれたの」などの空き店舗事業やイベント事業を展開。大学生が中心的な役割を果たすまちづくり活動の先進的な事例として知られている。

[広告]

 同NPOの立ち上げに参画した一橋大OBの菱沼勇介さんが、2009年に「全国のまちづくりを元気づけよう」と書籍化を発案。同大の現役学生が取材や執筆を担当した。同書執筆メンバーの一人で、同大4年の小川真澄さんは「私たちは、立ち上げ当初にどんな苦労があったのかを知らない。大学のゼミでまちづくりについて学んだうえで、OBやOGへの取材を始めた」と振り返る。「商店街の方、市役所の方、卒業生と多くの方に協力を頂いた。人生の先輩にたくさん出会えた」という。

 同書では、NPO設立経緯や活動内容のほか、2001年に商店街の活性化を考える「国立プロジェクト研究会」が市内で発足してから現在までの「まちづくり」の成果がまとめられている。「設立当初は、学生たちは商店街の方々となかなか信頼関係が築けなかった。しかし、学生たちが踏ん張る姿や徐々に地域に根づく姿を見て、商店街の方々の心が次第に解けてきた」と話すのは、同NPO理事で設立初期から学生たちをサポートし、同書編集にも携わった田中えりこさん。「KFの活動は、世代間のギャップや文化の違いを乗り越えて一緒に活動する面白さがある。10年という長い期間活動を続けられたのは、やはり商店街の方や地域の方の存在があったからだと思う」

 初版2000部のうち、すでに半数余りが売れたという。「本書には成功している部分だけでなく、失敗事例も入れている。つまずいた時にも参考にしてほしい」と小川さん。田中さんも「学生だけでなく団塊の世代の方も購入していると聞く。同書は全国の若者へのエールであり、地域の大人へのエールとなる本。まちづくりのバイブル的な本になれたら」と話す。

 価格は1,800円。全国主要書店、アマゾンなどで販売中。

  • はてなブックマークに追加