武蔵野美術大学美術館・図書館(小平市小川町1)で7月16日から回顧展「夢みる人 今 敏」が開催される。
今敏(こんさとし)さんは1963(昭和38)年、北海道札幌市生まれ。同大学視覚伝達デザイン学科在学中の1984(昭和59)年「虜-とりこ-」で第10回ちばてつや賞最優秀新人賞を受賞、翌年にはちばてつや賞佳作「カーヴ」で漫画家デビューを果たす。漫画家としての主な作品は「海帰線」「ワールドアパートメントホラー」。その後、アニメーション監督として活動の場を移してからは「パーフェクトブルー」「千年女優」「東京ゴットファーザーズ」「妄想代理人」「パプリカ」「オハヨウ」などを発表し国内外から高い評価を受ける。2008年から亡くなる2年半は同大学映像学科の客員教授も務めた。
今さんが「飯の食える絵描き」を目指した学生時代のデッサンや油絵をはじめ、課題作品や卒業制作が約30点のほか、漫画家としての作品約10点、アニメーション監督としての作品約30点など、今さんが想像し、創作した珠玉の作品が展示される。原画などの貴重な作品資料も展示する。
「本展は漫画やアニメーション作品だけでなく、学生時代の作品も多く展示する。今敏作品のファンのみならず、これから羽ばたく学生や創造的な分野に携わる方への刺激になれば」と、同大学美術資料担当の北澤さん。「今回は、今敏作品の全体像をまとめて見られるだけでなく、その原画の画力は目を見張るものがある。そういった意味では、今敏を知らない一般の来館者も十分楽しめる内容になっている」とも。
開場時間は10時~18時(土曜、7月16日は17時まで)。日曜定休。入館無料。8月25日まで。