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立川の商店主ら、アニメファンと親交深まる-地方や海外からも

菊川園の森田輝生さん。手に持っているのはファンとの交流ノート。

菊川園の森田輝生さん。手に持っているのはファンとの交流ノート。

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 立川市内の商店主たちが現在、立川の街を訪れるアニメファンたちと親交を深めている。今年の夏休みも地方からも多くのアニメファンが訪れた。

信濃屋の下澤正二さん

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 立川観光協会では2011年、立川駅周辺の景観がモチーフとなったライトノベルシリーズ「とある魔術の禁書目録」をきっかけに、同アニメのキャラクターを使用した地域振興事業を始めた。同年秋には「とある自治体の地域振興」と題し、「とある」ファンに向けた初のイベントを開き、立川市内を巡るスタンプラリーと限定グッズの販売を行った。その後も、作中の風景を探しに立川を訪れるファンに向けイベントを開催。加えて、地元商店の協力を得ながら立川限定商品の開発や街を回遊する仕組み作りに取り組んできた。昨年からは、限定商品を販売する店舗3カ所に、来店したファンとの交流用のノートも設置した。

 「とある」とのコラボ商品「ゲコ太瓦せんべい」(10枚入り・648円)を販売する「信濃屋」(立川市富士見町2)の店の前には、車体に「とある」のキャラクターを塗装した「痛車」が停車することがある。「アニメをきっかけにこれまでとは違う層の方にも来店いただけるようになった」と店主の下澤正二さん。店内には、ファンからプレゼントされた写真が飾られ、交流ノートには来店したファンのメッセージが残る。下澤さんは「大阪や山形など遠方から来てくださる方もいる。何回も来てくださっている方は顔も覚えた。年に何度か会えるのが楽しみ」と目を細める。

 「立川伊勢屋製菓」(高松町3)では、2012年から販売する「ゲコ太どら焼き」(3個入り・648円)に加え、この夏は今年4月から店頭に設置した「とある」の自動販売機が人気を博した。「自動販売機だけでなく、店内の商品も購入くださる方も多く、若いお客さまが増えた。交流ノートは遠方からの方ほど書いてくださっているように思う。グッズを買うだけではなく、ファン同士の交流の場になっているのかも」と同店の小林文子さん。

 老舗茶屋「菊川園」(柴崎町2)で販売するのは「とある」のキャラクター「月詠小萌先生」特製パッケージの「小萌茶」(648円)。スタンプラリーで訪れたファンからオリジナル商品を作ってほしいとリクエストを受けた同店の森田輝生社長が、ファンからどういう商品が欲しいかを聞きながら開発した。森田さんは「アニメという共通の話題があるから若い人たちとの会話もスムーズ。『小萌茶』は、急須がないという若い子のためにティーパックにした」と話す。今年の夏休みは、毎日のように「とある」ファンの来店があった。交流ノートには、熊本や鳥取から来たファンのコメントや、米国から来たというファンの英語の書き込みも残る。森田さんは「ノートを見れば、これはあの人だなと全員顔が浮かぶ。おじさんまた来たよーと言って、何度も訪ねて来てくれるのもうれしい」とほほ笑む。

 「立川を何度も訪ねてくださるファンの方は、店の方たちの『おもてなし』に魅力を感じてくださっているのでは」と同協会の芝田さん。「立川は、交通の結節点であり、駅周辺には大型商業施設が集まる便利さもあるが、国営昭和記念公園や官公庁関連施設の集積エリアを有し、農業も健在で緑も多い。アニメをきっかけに街を回り、ぜひ立川の街の複合的な魅力を楽しんでいっていただければ」と呼び掛ける。

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