国立市は1月9日、国立市谷保の「清化園」の跡地活用事業について事業優先交渉権を三菱地所に決定した。
清化園は、し尿処理施設と清掃工場として稼動していたが、一方で当該施設から排出されるばい煙や悪臭は地域住民の生活に著しい影響と周辺地域に暗く重苦しいイメージを与えてきた。1999年にその役割を終えた後、多摩川沿いの敷地面積約25,000平方メートルにも及ぶ跡地を市と公社で取得。現在は、広場として市民に開放されている。
同事業は、清化園跡地活用事業の企画を同市の取り組みとしては初めて「民間資金活用型事業者提案(プロポーザル)方式」で実施。民間事業者から応募のあった活用事業企画案のうち、優先順位の高い順に清化園跡地賃貸借契約に関する交渉権を付与することとし、昨年4月に市が利用案を公募。13案の応募があり、学識経験者や地元住民らで構成された選定委員会が書類や面談で審査。昨年末、同委員会が結果を市長に報告し、今回事業優先交渉権を同社に与えることを決めた。
同社の提案は、大型スーパーマーケットを核施設とし、物販・飲食・サービス系商業施設、天然温泉型の温浴施設を加えた地上3階建ての複合型商業施設の提案。延べ床面積は約28,600平方メートルで、駐車場約690台、駐輪場約400台分も確保。施設のテーマは「水と緑に親しむライフスタイルセンター」。
さらに同事業のテーマである「水とみどりの空間創出」を踏まえ、「はらっぱ」での市民参加型イベント開催や市民参加型緑地づくりを行うほか、清流や水辺の生き物と触れあえる「せせらぎ」空間を創出する。
今後、同市と同社は「基本協定書」を締結し、施設計画などの具体的な契約内容について協議を行い、今年3月末の事業用定期借地権設定に向け契約締結作業を進める。同施設のオープンは2010年を予定。