小平市中央公民館(小平市小川町2)で6月16日までの4回にわたって、「小平市公共施設マネジメントマンガ教室」が行われた。
小平市企画政策部行政経営課の戸部陽介さんは「小平市では人口減少、少子高齢化など公共施設を取り巻く環境が変化する中、今後の公共施設のあり方に取り組む公共施設マネジメントを推進している。長期間にわたる取り組み、さまざまな世代に関わる取り組みなので、若い世代も慣れ親しんでいる漫画を媒体にすることで公共施設マネジメントについて知ってもらうきっかけになればと思った」と話す。
同講座は「立川まんがぱーく」(立川市錦町3)でも講座を持つ漫画家の戸城イチロさんが講師を務め、1回2時間で行われた。戸城さんは「漫画では舞台が一つの要素となる。舞台を公共施設に設定し、全面的に出すことで『公共施設を身近に感じてもらう』という今回の提案に応えられるのではと思った」と話す。10代~30代を中心に約10人が参加した。
各回、冒頭に戸部さんが公共施設の課題や取り組み、市内の公共施設を10分程度で紹介後、戸城さんによる漫画制作の講義が続いた。講義ではキャラクターやストーリーの作り方、背景の書き方など漫画制作の基本を紹介するしたほか、戸城さんが「漫画制作にぴったり」と話すインプロ(即興演劇)に全員で挑戦する場面も。制作の時間には、一人ひとり一人一人と話をしながら丁寧にアドバイスする姿が見られた。
戸部さんは「毎回、戸城先生と参加者のやりとりやり取りにわくわくした」と振り返る。参加した30代女性は「貴重な経験だった。漫画も公共施設もこれまでとは違った視線で捉えるようになった。作品制作をがんばり頑張りたい」、小6女子は「先生の話がわかり分かりやすくおもしろ面白かった。講座に参加したことで公共施設が身近になった」と話す。
講座参加者以外も市内在住・在勤・在学者を対象に、7月21日まで公共施設を題材にした漫画作品を募集している。集まった漫画は戸城さんや同講座参加者の作品と共に作品集としてまとめ、9月に発行を予定する。市内の図書館や公民館などの各公共施設に閲覧用として設置するほか、市ホームページにも掲載予定。
戸部さんは「漫画作品集は身近にある公共施設を舞台にしているので、知っている施設も登場するかもしれない。どんなドラマが展開されるか、ぜひ楽しみにしていてほしい。一人でも多くの市民の方に見ていただき、公共施設マネジメントについて考えるきっかけになれば」と呼び掛ける。