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伊勢丹立川店で企画展「アール・ブリュット立川」 表現する喜び、五感で感じて

池邉遊さんの「ヒロシマ」。メキシコの毛糸絵画「ネアリカ」の技法を使って制作された。

池邉遊さんの「ヒロシマ」。メキシコの毛糸絵画「ネアリカ」の技法を使って制作された。

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 伊勢丹立川店(立川市曙町2)で10月26日から、アート作品展「アール・ブリュット立川2016」が開催される。

阿山隆之さんの「フラミンゴとペリカン」

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 アール・ブリュットは、正規の美術教育を受けていない人たちが生み出す「生(き)のままの芸術」を意味するフランス語。

 初開催となった昨年は、多摩地区の障がいを持つ作家25人の作品を展示。5日間で約5500人が来場し、「一人一人の個性やのびのびとした表現力の豊かさに感動した」「どの作品もエネルギー溢(あふ)れるものばかり。元気をたくさんいただいた」「期待以上だった」」といった感想が寄せられるなど、好評を博した。

 開催にあたっては、昨年2月、障がいのある子どもを持つ親たちが中心となり実行委員会を立ち上げ、作家への出品依頼や協賛金集めなどに奔走。同10月の開催にこぎ着けた。同展実行委員長の松嵜ゆかりさんは「アール・ブリュットの作品展を多摩地域で開催したいという夢だけで、何も持たないただのボランティア団体の私たちを信じて支援してくださった多くの方たちのおかげだと感謝している。短い準備期間で多くの方に感動をお届けできたのも、作品の持つ力と、1ピースでも欠けたら実現が不可能だった奇跡的なつながりがあったからだと思う」と昨年を振り返る。

 2回目となる今回は、初参加の15人を含む、多摩地域在住の障がいを持つ作家34人が出展。メキシコの毛糸絵画「ネアリカ」の技法を使った作品や、視覚障がい者が手の感触だけで制作した「触れて見る」ことができる作品など、さまざまな手法や作風で制作された絵画や立体など約50点を展示する。

 NPO法人しらゆり(柴崎町3)が所蔵する山下清の作品2点も展示される。同作は、50年前に知的障がい者の親でつくる「立川市手をつなぐ親の会」(羽衣町2)主催で行われた山下清作品展をきっかけに、山下画伯の母親から寄贈されたもので、「山下清画伯没後45年の年に現代を生きる若手作家の作品と共に展示できることとなり、とても感動している」と松嵜さん。

 期間中、同展に出展する阿山隆之さん(10月26日・28日)、林航平さん(29日・30日・31日)によるパフォーマンスを予定するほか、ポストカードや作品集、クリアファイルなどのグッズも販売する。

 今年の展示について、「見どころは全作品。自分たちの足で集めてきた自信作」と松嵜さん。「言葉によるコミュニケーションが難しい方たちの魂の声を見てほしい。人間が本来持っている表現することの喜びを五感で感じていただければ」と呼び掛ける。

 開催時間は10時30分~19時30分(最終日は5階特別室のみ17時まで)。入場無料。10月31日まで。現在、同作品展に先駆け、多摩モノレールの玉川上水駅・砂川七番駅・泉体育館駅・立飛駅・高松駅・高幡不動駅で、「アール・ブリュット」作品を展示している(10月31日まで)。

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