「結城座」特別古典公演 江戸糸あやつり人形劇を学芸大生がプロデュース

「八百屋お七」©結城座

「八百屋お七」©結城座

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 東京学芸大学の芸術館ホール(小金井市貫井北町4)で7月7日・8日、同大生がプロデュースする「結城座」特別古典公演「江戸糸あやつり人形 EDO Marionette Theater」が開かれる。

 文化庁による「平成29年度戦略的芸術文化創造推進事業」の一環。主催は、同庁と1635(寛永12)年の初代・結城孫三郎の旗揚げ以来、383年の歴史を持つ江戸糸あやつり人形芝居一座「結城座」。同公演のプロデュースを同大美術科・表現コースの青山研究室の学生10人が手掛ける。同事業を通じ、多世代・多文化をつなぐ地域交流の活性化推進を目指す。

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 演目は、同一座に最も古くから伝わる演目で、口伝のみで伝わってきた神事としての性格を持つ「三番叟(さんばそう)」「寿獅子」。数ある結城座の古典演目の中から「学芸大生が見てみたいと希望した演目から選んだ」という「伽羅先代萩 政岡忠義の段より(めいぼくせんだいはぎ まさおかちゅうぎのだん)」「八百屋お七」「本朝二十四孝 奥庭狐火の段」も上演。「女形の名手・十二代目結城孫三郎による華麗・可憐な世界を堪能いただければ」と結城座制作部の澤田麻希さん。

 公演は英・中・韓訳付き。同大副学長で、NHK大河ドラマ「龍馬伝」「八重の桜」などの時代考証も手掛ける日本近世史学者の大石学教授と、同一座の人形遣いにより、江戸糸あやつり人形の歴史や技法、演目についての解説も行う。7月5日~8日には同ホールロビーで、史料やパネル、人形の展示も用意する。

 公演に先立ち6月中旬から、同大内を中心にアウトリーチも展開。江戸糸あやつり人形体験ワークショップをはじめ、同あやつり人形の歴史や同公演の見所の解説などを通し、日本の伝統芸能について親しみながら知識を深め、公演へ興味を持ってもらうことを目指す。

 澤田さんは「結城座の公演の運営に伝統芸能のプロの従事者以外の方が関わることは当一座史上初の試み。伝統芸能が縁遠く思われている傾向を打破するために、見るだけでなく運営に関わることで理解を深めてもらい、魅力を伝えることができれば」と話す。

 学生との取り組みでは、「学生から提案のあった宣伝ビジュアルは、舞台写真から人形をくりぬき、全体が桃色の非常にポップでかわいらしいもの。同じ素材でこんなに違うビジュアルが出てくるのかと驚きがあった」と振り返る。チケット料金も現役学生の声を取り入れ、「結城座史上初めて、学生料金を1,000円以下にした」という。

 「古典芸能が初めて、今まで難しそうで敬遠していた、興味はあったけれどチケットが高額で、という方も、この機会にぜひお試しで飛び込んでみてほしい。食わず嫌いにならず、さまざまな伝統芸能に興味を持っていただけたら。そして江戸糸あやつり人形を好きになっていただければうれしい」と澤田さん。「既に伝統芸能が好きな方も、人間が演じるか人形が演じるかで、同じ演目でも全く違う魅力がそれぞれにある。ぜひ見比べてみていただければ」とも。

 「公演の2日間、芸術館ホールが江戸の芝居小屋に大変身する。江戸の人々が楽しんでいた芝居の世界に、どっぷり漬かっていただければ」と来場を呼び掛ける。

 開演時間は、7日=18時30分、8日=14時。定員各日200人。チケット料金は、一般=1,800円、学生=500円。チケットは、結城座ホームページ、電話(TEL 042-322-9750、平日10時~18時)、結城座事務所(事前連絡要)で扱う。公演前アウトリーチの依頼は結城座・澤田さんまで。

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