4月22日に開局したばかりのコミュニティーFM「FMたちかわ」(立川市曙町2)は、4月28日~30日、立川高島屋玄関前スペースで開局記念イベントを開催した。
当日は、同局で番組を持つアナウンサーが進行を担当。各日とも、日替わりでアーティストを招きミニライブを行い、その様子を番組内で生放送した。28日には、メンバー全員が視覚障害を持ちながらも、その音楽性が評価されている「正秋バンド」が、29日には、CMにも曲を提供する尺八奏者、水川としやさんを中心にジャンルを越えた音楽でさまざまな音楽番組にも出演する「AXIS」が、30日にはサルサなどラテンミュージックを演奏する「ソン ベラ マサ」がそれぞれ出演。多くの通行人が足を止め、生演奏に聞き入っていた。
開局は、1978年の宮城沖地震でラジオの重要性を感じた西武新聞社(曙町2)社主の山田昌夫さんが「多摩のラジオ開局を」と声を上げたのが発端となった。当時はなかなか認可が下りなかったが、あきらめずに5年前に申請。今回ようやく免許を取得して開局にこぎ着けた。東京では、新規取得できる周波数がすでに無く、「恐らく最後のラジオ局になる」(同社)という。
番組は、半分がボランティアを含めたスタッフによる自主制作。大学と連携し、各校が制作を担当する番組もある。そのほか音楽番組を中心に、地域情報や福祉、防災などの内容を盛り込み、災害時には近隣の災害情報を放送する予定。
課題もある。現在の出力は5Wと小さく、可聴エリアは立川市と昭島市の一部20,940世帯。走る車内では良く聞こえるが、室内では聞き取りにくいことも。また、声優の落合祐里香さんをパーソナリティーに迎え、アレアレア(柴崎町3)から公開放送していた番組が、機材の問題により、1週間で休止となっている。
「技術の問題や出力の問題など、まだまだ解決しなければならないことが多い。しかし、ようやく生まれた立川のラジオ局なので、貴重な財産として大切にしていきたい。『みんなのために』という発足の目的を、ずっと掲げながら運営していきたい」と担当者は話している。
FM84.4MHz