国立の「コート・ギャラリー国立」(国立市中1)で2月22日から、第4回IMAGINE FUKUSHIMA展「伊藤隆介×山口啓介 LOST & FOUND」が開かれる。
震災後の2012年から開催している同展。「記憶の風化が進み、ますます遠のいてゆく福島と、私たちが抱える問題」をテーマにしている。
主催する「ウォーターマーク アーツ&クラフツ」(東2)の清水典子さんは、「年々開催が難しくなっていると感じる」と話す。第2回開催時に支援金寄付額は初回の5分の1になり、第3回からはクラウドファンディングに挑戦したが、目標額は達成しなかった。「震災直後は、多くの方がじっとしていられないという気持ちが強く、今よりうまくことが運んでいたように思う。時間がたつにつれ、自分たちも含め、気持ちが離れ関心が薄くなり、協力のお願いにもちゅうちょする」という。「自分たちが何もできていない後ろめたさを抱えて、忘れないでいるために続けているような気がする。まだ同じテーマでやっているのかと思われているかもしれないが、今のところやめる予定はない」と清水さん。
今回は、映像作家であり主に映画やビデオ・インスタレーションを使った作品を制作している伊藤隆介さんと、巨大な銅版画作品で国内外の数々の賞を受賞している山口啓介さんを迎える。山口さんは、カセットケースの中に植物を保存し未来へその遺伝子を残していくことをコンセプトとした立体作品「カセットプラント」をギャラリーの大きな窓に設置する。
2月24日は「カセットプラント」ワークショップ、3月4日は伊藤さんと山口さんのアーティストトークを予定する。
現在、クラウドファンディングで開催費用を募っている。「お力をお貸しいただきたい」と清水さん。「この展覧会をより多くの方に知っていただき、一緒にアートを通じて小さいながらも復興支援を継続していきたい。敷居が高い、難しいと思われている現代アートに慣れ親しんでいない方、普段あまり関心がない方にご覧いただければ」と呼び掛ける。
開催時間は11時~18時(最終日は16時まで)。水曜定休。入場無料。3月6日まで。