シネマシティ(立川市曙町2)で、5月12日、映画「五重塔」の舞台挨拶が行われた。
映画は、幸田露伴の同名小説「五重塔」を原作に初めての映画化されたもので、製作会社「KAERUCAFE」(渋谷区)の「新感覚ブンガク映画シリーズ」の第6弾。原作と設定は大きく変わっているものの、原作本の持つメッセージを、津軽金山焼の五重塔の焼き物にまつわる物語に託して表現している。
「KAERUCAFE」は、映画制作とサンプリングCD、効果音制作を主に行う制作会社で、映画制作では「制作・配給・宣伝」までを1社ですべて手がけている。デジタル映画の鬼才、秋原正俊さんとコラボし、制作、配給するとともに、社内にはHDTVの制作システムを構築し、かつてはその機材を劇場に持ち込んで公開するなど、撮影のデジタルシステム化を追求している。シネマシティでの上映は、前作の「銀河鉄道の夜」に続いて2回目。
物語は、寡黙な窯元の男が、寺の住職から請け負った五重塔の制作にかかわる中で、周囲の反対や度重なる試練に見舞われながらも、自らの仕事を遂行しようとする姿が描かれている。
舞台挨拶には、主演のガッツ石松さん、飯田圭織さん、久遠さやかさんらの主要キャストをはじめ、秋原正俊監督、音楽の三柴 理さんが立ち、それぞれの挨拶の合間にはガッツさんが程よい合いの手を入れ、終始和やかな雰囲気の中で行われた。2度目の挨拶後は出演者らも観客とともに映画を鑑賞し、終了後には約200人の観客から大きな拍手を受けていた。
同館関係者は「デジタルシネマならではの、ドラマチックなサウンドや、フィルムでは表現できない映像の美しさもぜひ体験してほしい」と話している。
上映は5月25日まで。都内独占上映。
シネマシティ(立川市曙町2-8-5)TEL 042-525-8787