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昭和記念公園で「アール・ブリュット」展 演奏会やアートパフォーマンスも

コイリングという技法で抽象的な立体作品を制作する松嵜日奈子さんの作品

コイリングという技法で抽象的な立体作品を制作する松嵜日奈子さんの作品

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 障がいのある人の芸術作品を展示する企画展「アール・ブリュット立川2021」が現在、国営昭和記念公園(立川市緑町)で開かれている。

アール・ブリュット立川2021のチラシ

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 2015(平成27)年から毎年、「アール・ブリュット立川」として、伊勢丹立川店を中心に立川市内各所で回遊型の展示会として開催してきた同展。今年は初めて、昭和記念公園で開催する。

 実行委員長の松嵜ゆかりさんは「今年は昭和記念公園花みどり文化センター全館を使った見応えのある展示が特徴。大きな空間、高い天井での展示は今までにない迫力。アール・ブリュット作家も若手アーティストも、障がいの有無に関係なく素晴らしい作品が集まった。コロナ禍の中、なかなか美術館に行けなかった方にも喜んでいただいている」と話す。

 個人の参加アーティストは8人で、作品のジャンルは、油絵、日本画、アクリル画、粘土、和紙、織物、立体など多岐にわたる。

 日本画で夏をテーマに昆虫の姿を借りて日常を描く畔蒜(あびる)克則さん。空想の動植物を描く鈴木皓平(こうへい)さんは「ヒラメの上陸した世界」を描く。動物や食べ物のポップな作品や模様のような細かい描き込み作品の「酢平☆(すっぺ)」さん。立川市幸町生まれの姉妹ユニット「saiwai(さいわい)」は、オーダーメードの衣装・アクセサリーなどを制作。

 米ニューヨークのブルックリンに10年間滞在し、イラストや漫画を描いてきたタダツタケシさん、クレイアートの林航平さん、立川の石田倉庫アトリエで絵画教室を主宰している槇島(ましま)藍さん、染色した真綿を針金に巻き付けるコイリングという技法で抽象的な立体作品を制作する松嵜(まつざき)日奈子さん。その他、障がい者支援施設利用者たちのクリエーティブなアート作品も展示する。

 新型コロナウイルス感染拡大予防のため、予定していた全日のワークショップと玉川宗則さんのパフォーマンス、作品展示は中止。式町水晶さんのバイオリン演奏会と林航平さんのクレイアートパフォーマンスは日程を変更して行う。

 松嵜さんは「今回、昭和記念公園というたくさんの人が集まる場所に展示できることになった。作品との出合いは、魂が揺さぶられる感動となるはず。私たちの中で育んできた思い、今できる精いっぱいの『楽しい』を詰め込んだアート展を、子どもも大人も障がいのある人もない人も全ての人に楽しんでいただきたい」と来場を呼び掛ける。

 開館時間は9時30分~17時。入場無料。演奏会は6月27日10時30分~11時30分、アートパフォーマンスは同日13時~15時。今月28日まで。

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