国分寺のカフェ「クルミドコーヒー」で蓄音機コンサート-定例化へ

「ジジジジというアナログの音がやっぱり良い」と言う音楽プロデューサーの野口眞一郎さん

「ジジジジというアナログの音がやっぱり良い」と言う音楽プロデューサーの野口眞一郎さん

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 国分寺のカフェ「KURUMED COFFEE(クルミドコーヒー)」(国分寺市泉町3、TEL 042-401-0321)で1月25日、「蓄音機コンサート・1月の会」が開催された。

 同店は「本物の味を子どもも楽しめる地域密着型の喫茶店」をコンセプトに掲げ、昨年10月にオープンした。テーマの「クルミ」を随所に用いた店内は、童話絵本の世界を表現したような木の温かみがある雰囲気が特徴。

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 店内に設置されたビクター・1923年製の大型蓄音機のハンドルを回すのは、40年に及ぶ活動の中で数多くの音楽や映画制作に携わってきたプロデューサーの野口眞一郎さん。以前から西国分寺駅前のロータリーで蓄音機の「まちかどコンサート」を行っていた野口さんが、同店が出店するビルに事務所を構えた縁がきっかけで昨年末に初開催された演奏会を、今年から毎月第4日曜日に定例化するという。

 「幼いころから蓄音機の音楽に親しんできたが、若くして飛行機事故で夭逝したバイオリニスト、ジネット・ヌヴーのレコードに20年ほど前に出会って衝撃を受け、彼女の素晴らしい演奏を多くの人に知ってもらいたいと思った」という野口さんは、1989年に「ジネット・ヌヴー協会ジャポン」を発起し、以来本国フランスと交流を深めるかたわら、日本各地で蓄音機の演奏を行ってきた。今回のコンサートは、今年で設立20周年となる同協会を記念する意味を込めて、ラヴェルの「ツィガーヌ」やブラームスの協奏曲など、ジネット・ヌヴーの名演奏を収録したSP盤も多く選曲した。

 11時から約2時間行われたコンサートには家族連れやカップルが訪れ、ジネット・ヌヴーのバイオリン演奏のほか、ドヴォルザーク作・クライスラー編曲の「ユーモレスク」、エディット・ピアフの「愛の讃歌」など、野口さんがかける往年の名曲をコーヒーやケーキとともに鑑賞した。「あまりかしこまり過ぎずに楽しんでいただきたいので、コンサート中でも注文や出入りは自由」というオーナーの影山さんの言葉通り、興味を示した人に野口さんが蓄音機やレコードについて説明したり、「音が鳴っているうちに」と演奏中に野口さんが自転車で自宅までレコードを取りに帰る場面があるなど、終始なごやかな雰囲気に。蓄音機にじっと見入る小さな子どもや、ハンドルを回させてもらう子どもの姿もあった。

 「デジタル社会の現代で、電気を一切使わない蓄音機は言わば失われた文化だが、本物はどれだけ年数が経っていてもやはり良いもの。湿気など気候も多分に影響するので、空気が乾燥していて天気の良い今日は最高の蓄音機日和。良い音が出ている」と野口さんは笑顔を見せた。

 「幼いうちから本当に良いものを身近に親しめるような経験は、子どもたちにとって貴重な経験となるはず」と影山さん。「10月の開店以来、リピーターのお客様が度々来店してくださる。これからも、広告を出して知名度を上げるのではなく、ここを好きだと思ってくださるお客様がご友人と一緒にいらっしゃることによってつながりが広まるような、人と地域に根を張る店であり続けたい」と話す。

 営業時間は10時30分~22時30分。木曜定休。