立川のギャラリーカフェで若手金工作家の作品展-ユニークな異素材造形も

金属造形作家の石川雅人さんと、師匠の赤川BONZEさん。独特なフォルムの作品が並ぶ

金属造形作家の石川雅人さんと、師匠の赤川BONZEさん。独特なフォルムの作品が並ぶ

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 立川・高松町商店街にあるアート&クラフトギャラリーカフェ「B3」(立川市高松町2、TEL 042-540-0196)で現在、金属造形作家・石川雅人さんの作品展「30のカタチ」が開かれている。

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 同店は、石川さんの師匠で銅板造形作家、赤川政由(BONZE)さんが手がけた工房に併設するギャラリー。定期的に作家の展示会を開催するほか地域コミュニティーの場として開放し、陶芸や金工教室などのワークショップも開いている。

 あきる野市出身で1979(昭和54)年生まれの石川さんは、22歳の時、当時青梅に工房を構えていた赤川さんに師事し、以後作品制作を続けている。「インテリアデザインの学校を出たとはいえ、美術作品の制作に関してはまったく無知だったので、知識も技術もBONZEさんにゼロから教わり、毎日朝から晩まで工房で練習した」と振り返る石川さん。赤川さんは「若いうちは失敗を恐れず、大小問わずたくさんの作品を作ってトライ&エラーを繰り返せば良い。技術は表現の必要性によってついてくる」とアドバイスしたという。今回展示しているのは、これまでに制作した思い入れ深い30点。銅と木を組み合わせるなど、ユニークな形の抽象作品が並ぶ。

 「自分の内面を形で表現したいという思いで、独自のフォルムを追っている」という石川さんの作品は、カナダや韓国で紹介されるなど、国内のみならず世界からも注目されている。2005年にスマトラ沖地震が起きた時は、友人らと「自分たちにできることは何かないか」と考え、「希望の船」をイメージした募金箱を銅板で作り、実際に募金活動を行って集まったお金をインドネシアに送った。同作品は2007年、現代美術作家の組織「AJAC」が主宰する展覧会で新人賞を受賞した。旅先で見た世界の国々の様子や、父親と共に続けている登山で見た景色から作品のアイデアがわくことも多いという。

 「今の時代に必要なのは、想像することや他者とつながることだと思う」と石川さん。「自分の作品を見た人が、十人十色のイメージや感想を持ってくれることがうれしい。これからも見る人の想像力をかき立て、コミュニケーションのきっかけになるような作品を作り続けたい」と今後の抱負を語る。

 営業時間は13時~18時。月曜・水曜定休。今月21日まで。

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