近江神宮勧学館(滋賀県大津市)で開催された小倉百人一首競技かるた「第55期クイーン位決定戦」に1月、国立市の山下恵令さんが挑戦した。
競技かるたは、下の句が書かれた100枚の取り札のうち50枚を使い、25枚ずつを自陣・敵陣に分けて並べ、15分間で50枚の場所を覚えてから競技を行うもの。現在、人気漫画「ちはやぶる」の影響もあり競技人口は現在約100万人にも上るともいわれている。中でも「クイーン位決定戦」は競技かるたの最高峰を決定する大会で、全国の4段以上の選手がトーナメント戦を行い、勝ち抜いた選手が1月に現役クイーンに挑戦する。
山下さんは現在、会社勤めをしながら、土曜は都心の練習場で上級者と対戦し、日曜は9時~17時に柴崎学習館(立川市柴崎町1)で練習する東京明静会の会長として常時10人ほどの会員の練習を見ている。「父が競技かるたをしていた影響で6歳から始めて今年で20年目。既にかるたは私の日常」と山下さん。「相手との駆け引きが競技かるたの魅力。特に相手がどの札を狙っているのかを把握して、それを自分がどうやって取るか作戦を考える時が楽しい」とも。
山下さんがクイーン決定戦に挑戦するのは今回で2回目。クイーン位戦は先に2勝した方が勝ちとなるが、今回は永世クイーンの楠木早紀さんを相手に1回戦は2枚差、2回戦は7枚差で惜しくも敗退した。「前回より今回の方が手応えがあったので、負けてしまったのは悔しい」
来年のクイーン決定戦に向けてのトーナメント戦は10月からスタートするが、「来年のクイーン決定戦にも挑戦したい」と山下さん。「まずはトーナメントを勝ち抜いて、挑戦権を得ることができたらクイーン決定戦に向けた試合の仕方で練習を積んで、今度こそクイーン位を手に入れたい」と早くも決意を新たにする。