クリニカルソリューションコスメ「アンプルール」を展開する株式会社ハイサイド(本社:東京都目黒区)は、世界規模でのオープンイノベーションベースの皮膚科学研究を提供するプラスメディ株式会社と基礎研究や成分開発の知見を融合し、研究開発拠点「スキンイノベーションラボ」を開設。スキンケアやヘアケアに関わる新技術および肌理論についての更なる革新的な研究開発を推進しております。
このたび共同研究において、ボンディングペプチド(テトラペプチド-97※1 以下 TP-97)とピノプレックス※2との複合体がダメージを受けた毛髪ケラチンの結合を修復させることを明らかにしました。
※1.ダメージ毛の内部にまで浸透し、髪の主成分「ケラチン」の強さを左右するシスチン結合(SS結合)を分子レベルで補修する新しいペプチド ※2.水分量により開いたり閉じたりする性質をもつ松ぼっくりから抽出したアップサイクルな生体模倣植物エキス
■研究背景
毛髪の約85%を占めるタンパク質はヘアカラー、白髪染め、紫外線など外敵刺激によって損傷すると結合の強度が低下し、うねりや広がり切れ毛を引き起こします。このような髪の課題に対してアンプルールはスキンケアメーカーならではの視点で皮膚科学をヘアケアに応用。
スカルプケア分野で開発されていた新規ペプチドTP-97に着目。さらに水分量により開いたり閉じたりする性質をもつ松ぼっくりの特徴を活かし、髪のうるおいを閉じ込めキューティクルを再接着するピノプレックスを発見、独自に複合体にすることで損傷したケラチン結合の修復に応用する研究に取り組みました。
■研究結果
1. TP-97とピノプレックスが損傷した内部ケラチン(SS結合)を修復
髪内部のケラチン結合(SS結合)修復に関して、TP-97単体とピノプレックスとの複合体がどの程度関与しているか、赤外分光分析(FTIR法)による定量的な検証を行いました。
ブリーチ処理によりダメージを与えた人毛の髪ケラチン抽出物にTP-97単体と複合体を添加したところ、ケラチン(SH-)を減少させケラチン(S-S)を増加させました。
つまりダメージ毛に多いケラチン(SH-)を健康毛ケラチン(S-S)へと修復したことが分かりました。(図1)
図1:ダメージ毛に多いケラチンから健康毛ケラチンへの修復の検証
2. 損傷したキューティクルのケラチン部分に特異的に結合
図2:健康な髪のキューティクル
図3:損傷した髪のキューティクル
TP-97を蛍光染料で赤く染色し、健康毛とダメージ毛に添加したところ、損傷したキューティクルのケラチン部分に特異的に強く結合することも分かりました。(図3)
3. 毛髪内コルテックスのダメージ修復を可視化
ダメージ毛に多いケラチン(SH‐)のみに反応する染色法を独自に応用・改良し、毛髪内コルテックスのダメージ修復を可視化。断面観察を行いました。
健康毛(未処理バージンヘア)はほとんど蛍光しないが、5分間ブリーチ処理した毛は強く蛍光しました。ブリーチ毛にTP-97複合体を処理すると蛍光強度が弱まり、損傷部位が修復されていることが確認できました。(図4)
染色結果からは、TP-97複合体を塗布した髪において、SH-ケラチンの顕著な減少=SS結合の修復が視認され、わずか5分間の処理で髪内部のダメージが大幅に軽減されることが明確となりました。
図4:毛髪内部の蛍光観察結果
■アンプルールの取り組みと今後の展望
最先端の知見をヘアケア製品開発にも応用
ドクターズコスメとして培ってきた技術と経験をベースに、スキンケアやヘアケアに関する技術や肌理論の研究を重ねてきたプラスメディ株式会社との共同研究を通し、既存製品の改良から新製品の開発に至るまで成分や細胞レベルでのさらなる先進性と機能性を高めていきます。
今回の研究結果をもとに、科学的根拠に基づいたヘアケア製品開発に応用する予定です。同時にこの画期的な発見を足がかりとし、既知の有用成分の潜在力を引き出す研究を含め、さらなる革新的な発見を目指して研究を継続していきます。
多様化が進む変化の大きな時代の流れを敏感に察知し、最新の知見や技術とともにあらゆるお客様のお悩みに寄り添った化粧品を提供してまいります。
AMPLEUR(アンプルール)について
アンプルールは、美容皮膚の知識を持つさまざまな専門家たちの英知を結集した先進のクリニカルソリューションコスメティクスです。美のあり方、そして「美しい肌」の定義も多様化する現代。限りないキレイへの願いに応えていくことが私たちの使命と考え、一人ひとりの「これから」に寄り添いながら“クリニカルな機能性”と“上質な心地よさ”を両立した化粧品をお届けします。
アンプルール公式サイト:https://www.ampleur.jp/
株式会社ハイサイド
2003年の設立以来「AMPLEUR(アンプルール)」を中心に、業務用化粧品「WOVE style(ウォブスタイル)」など最先端で高機能な化粧品開発を手がけるとともに、様々な美容・健康・医療分野のサービスを提供する企業として発展し続けています。
本社:東京都目黒区中目黒1-10-23-2F
代表取締役社長:根津 崇
創業:2003年3月14日
事業内容:化粧品、医薬部外品の企画・開発・販売、美容サロンの経営コンサルティング、オウンドメディアの運営
HP:https://www.hsco.co.jp