立川・第一デパート(立川市曙町2)地下1階のスパゲティ店「サンモリノ」(TEL 042-523-1118)が5月15日の同デパートの閉店に伴い、店を閉じる。
同店は、1966(昭和41)年の第一デパート開業時に、店主の山崎一憲さんの義父が開店。その翌年から山崎さんが引き継ぎ、以来45年間店を守ってきた。昭和の風情が漂う名物店は、テレビ番組「出没!アド街ック天国」(テレビ東京)で薬丸裕英さんが通っていた店として紹介されたほか、地元出身の著作家ゲッツ板谷さんの著書に登場したこともある。
山崎さんは「開店当時は駅前に飲食店がほとんどなかった。当店と、中武デパートにあったラーメン屋『すみや』、立川駅北口にあった銀座デパートの立ち食い焼きそば屋が立川の人気飲食店の三冠王と言われていた」と当時を振り返る。
同店のモットーは「立川で3番目にうまいスパゲティ」。当時からメニューはほとんど変わらず、特に人気のメニューはナポリタン(650円)、ミートソース(600円)など。根強いファンが多く、親子3代にわたる常連客もいるという。「お客さまと話をするのが楽しい。ここまで店を続けられたのはお客さまのおかげ」と山崎さん。「甲子園で優勝した桜美林高校の野球部の選手がよく通ってくれた。毎週同じ曜日、同じ時間に通ってくれるお客さまが持ってきてくれる漬物がとてもおいしい」と、思い出話は尽きない。
閉店を控え、連日客の行列が絶えない同店。「おいしかったと言ってもらえるとうれしいが、材料がなくなり、営業時間内でも店を閉じることも増えてきた。あまり行列ができると常連さんが来られなくなってしまうのでは、と心配にもなる。それでも最後まで頑張りたい」とも。
営業時間は10時~19時30分。水曜定休。