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国立の街を物語として捉える「国立文庫」発行-市内各所で1000部無料配布

完成したばかりの国立文庫。2色のカバーと3色の帯を用意する

完成したばかりの国立文庫。2色のカバーと3色の帯を用意する

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 国立の街を物語として捉える「国立文庫」が5月25日、発行される。物語に登場する店や公共施設、コミュニティー施設など数10カ所で計1000部を無料配布する。

ワークショップでは、3人程のチームに分かれて「物語」を取材した

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 企画したのは、街をフィールドにプロジェクトを展開するアーティストの木村健世さん。「街は多くの物語が集積した一つの文庫」という一つの街の見方を提示する「文庫プロジェクト」は今回で4回目となる。木村さんは「街なかで行うパブリックアートのプロジェクトを手掛けるうちに、街をつくる個人の力に引かれた。私たちの何気ない暮らしが、実は街のある側面をつくっていることを強く感じ、それを可視化させたプロジェクトをやりたいと思い始めた」と話す。国立文庫は、木村さんと国立本店(国立市中1)の運営メンバーから構成される「国立文庫編集室」で運営・編集する。

 同プロジェクトでは、昨年11月からエリアごとに4回のワークショップを開催。一般から募集した延べ44人の参加者が記者となって街に出て、店や施設・公園にいる人などに話し掛け、通常知ることのない「人々の日常の営みが紡ぐ物語」を取材した。集めた物語を同室が編集し、文庫目録として発行する。「街で配布し街へと返していく。それを手にした人は、目録に収めた物語を訪ねてまた街を歩き、人と出会って、新しい『街の物語』を作っていく」と同室。

 木村さんは「国立はコンパクトにできていて、人と人の距離が近い。今後、コミュニティーの醸成や街のアイデンティティーの持続に人同士の距離の近さが大きく関わってくるかもしれず、このプロジェクトで人と人・人と街の距離が少しでも縮まれば」と話す。「『文庫としてのまち』だけではなく、イベントに参加された人の中に、『○○としてのまち』のような独自の街の見方が芽生えればさらにうれしい」とも。地域住民には「見慣れた街をいつもとは少し違った角度から見てみては」と呼び掛ける。

 6月1日には、国立市公民館(国立市中1)和室で「発行記念プレウォーク」と題し、2色のカバーと3色の帯の組み合わせを楽しみながら帯巻きをし、文庫に登場する店などを回って文庫を渡して歩くワークショップを開催。時間は13時~17時30分。参加無料で、定員10人程度。懇親会は一品持ち寄り。6月29日16時~20時にはリトマス(東1)でトークイベントを予定する。参加無料で、定員30人程度。懇親会は1,500円。

(追記)
5月29日現在、同文庫の設置場所は「国立市公民館」、「くにたち中央図書館」、「国立本店」の3カ所。設置場所は、順次フェイスブックページで告知していく。

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