くにたち市民芸術小ホール(国立市富士見台2、TEL 042-574-1515)は2月16日、萬狂言公演を開催する。同公演の開催は今年で3年目。
公演には、約300年の伝統と歴史を受け継ぐ狂言の名家「野村万蔵一門」が出演。今回は約90分の上演時間の中で、名曲「萩大名」を人間国宝であり日本芸術院会員でもある野村萬さんがシテ(主役)を演じ、子どもから大人まで楽しめる曲「附子」を野村万蔵さんが天真爛漫らんまんな太郎冠者役として演じる。また、山下浩一郎さんが狂言の歴史や小道具の使い方などについて日本の文化を通して分かりやすく解説する。
会場となる同ホールでは270席を用意しているが、この席数は狂言を行う会場としては比較的狭いという。ただ、その狭さは「演者と観客との距離が近く、人間国宝の表情や息づかいに至るまでその技一つひとつをじっくり鑑賞できる環境」(同ホール担当者)ととらえる。さらに、「観客がいないと芸が育たない」とも言われている古典芸能の演者側にとっても、「観客の表情を身近に見ながら演じることができるのでメリットが大きい」(同ホール担当者)とも。
同ホール担当者は「『萬狂言』は毎年好評をいただいている公演の一つで、年々市民の関心を集めている。分かりやすい解説もあるので、狂言にまったく触れたことがない方でも楽しめる内容になっている。また、ホールとしても今年は古典芸能に力を入れており、今回の公演をきっかけにより多くの市民の方に関心を持っていただければ」と話している。
料金は、全席指定4,000円。チケットは、同ホール窓口と市内のチケット委託店で取り扱っている。