国分寺駅北口に「燗(かん)酒屋がらーじ」(国分寺市本町3、TEL 042-329-8081)が開店して4カ月が過ぎた。
同店の店主・細尾昇平さんは、ラーメン店「麺屋がらーじ」(東恋ケ窪2)も経営。ラーメン店開店10年を機に、熱燗の専門店を開く夢をかなえた。昼はラーメン店、夜は居酒屋を切り盛りする。
店舗面積は11坪。席数はカウンター席11席。客層は30代~50代の男性客が中心だが、女性も多いという。日本酒は、自らが厳選する約60種類を常備。酒に適した米作りが盛んな西日本の地酒が約3分の2を占める。日本酒の注文は1合から可能で、価格は730円~。
「熱燗は日本酒の一番スタンダードな飲み方。理にかなっている。温めて駄目になる酒はまともな酒ではない」と細尾さん。
お勧めは、「島根県大田市の『開春』、鳥取県・若桜町の『辨天娘』、大阪府・能勢町の『秋鹿』など」。いずれも地元産の米を使い、手間をかけて製造しており、中でも「秋鹿」は「日本で初めて蔵元が自ら米作りを行って造った酒」だという。また、全国で初めて醸造用アルコールを添加しない純米蔵の酒として生まれた埼玉県蓮田市の「神亀」や、酒米作りから精米、醸造までを一貫して行っている神奈川県海老名市の「いづみ橋」なども挙げた。
最近、客に人気があるのは、広島県竹原市の「竹鶴」。NHK連続テレビ小説「マッサン」の主人公のモデルの竹鶴政孝の生家の酒蔵で作られている酒で、「癖があるがめちゃくちゃうまい」という。
フードメニューは、「麺屋がらーじ」で使用する自家製麺を使った「焼きそば」(680円)、細尾さんの故郷・和歌山県田辺市の田辺湊浦漁港から入荷した魚を使った「ウツボ炙(あぶ)り」(730円)、「アイゴ一夜干し」(750円)、「平子イワシ丸干し」(580円)などを提供。ニラ玉(480円)やチーズの五種盛(850円)、ナポリタン(680円)、「ドイツと気候が似ている」同県中辺路町のシンドラーさんが作った「スモークミミガー」(430円)、「白カビサラミ」(550円)などもある。「日本酒は赤ワインと同じで食中酒。洋食にも合う」
「米を作る農家、酒蔵、酒屋が愛情を持って熱心に取り組んでいる酒はおいしい。自分の役割として、適正に燗をつけて、酒をいい状態で出したい」と細尾さん。
営業時間は18時~23時(日曜・祝日は16時~22時)。水曜定休。