立川で「鎮魂の花火 白菊」 シベリア抑留から生還した長岡の花火師を語る

山崎まゆみさん(右)と嘉瀬誠次さん

山崎まゆみさん(右)と嘉瀬誠次さん

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 立川の柴崎学習館(立川市柴崎町2、TEL 042-524-2773)で5月16日、ノンフィクションライターで温泉エッセイストの山崎まゆみさんの講演会「戦後70周年事業 鎮魂の花火 白菊」が開かれる。主催は立川市生涯学習推進センター。

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 講師を務める山崎さんは、新潟県長岡市出身。著作には、脳科学者・茂木健一郎さんとの対談エッセイ集「お風呂と脳のいい話」(東京書籍)、戦時中に実在した部隊を追ったノンフィクション「ラバウル温泉遊撃隊」(新潮社)などのほか、祖父の代から3代続く長岡の花火師・嘉瀬誠次さんの姿を描いた「白菊-shiragiku- 伝説の花火師・嘉瀬誠次が捧げた鎮魂の花」(小学館)がある。

 嘉瀬さんは第2次世界大戦中に出兵し、終戦から3年にわたるシベリア抑留を経て長岡市に帰郷後、1951(昭和26)年に父とともに長岡まつり大花火大会で戦後初の正三尺玉の打ち上げに成功。長生橋の仕掛け花火ナイアガラやミラクルスターマインなど、数々の長岡の名物花火を生み出した。1990年には、シベリア抑留中に命を落とした友への鎮魂とロシアの人々のため、アムール川のほとりで大輪の花火「白菊」を打ち上げている。

 生涯学習推進センター錦学習館の吉田能明さんは、「戦後70年の節目を迎えようとする中、若い世代の方はシベリア抑留を歴史としてしか知らない人も多いと思う。嘉瀬さんと嘉瀬さんを支えた人々のありのままの姿を知っていただきたいと思い、綿密な取材をされた山崎さんに講演をお願いした」と話す。

 講演会では、「花火師・嘉瀬誠次さんにスポットを当て、その揺るがぬ信念を『白菊』を軸にお話しいただく予定」と吉田さん。「嘉瀬さんの信念に触れて、戦後70年を振り返ってみては」とも。

 同講演会に併せて同館では、「シベリア抑留絵画展」と長岡大花火大会の写真やポスターの展示も行う。

 開催時間は14時~16時。入場無料。定員は200人(中学生以上、申し込み順)。参加申し込みは、柴崎学習館で電話で受け付ける。

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