国分寺で現在、地域の大人と子どもをつなぎ、地域による子育てを目指す取り組み「まちのおやこテーブル」が行われている。
「呼びかけ人」の小林洋子さんは「第2子の育休中に、子育て、家事、仕事に追われママ友や近所の人とゆっくり人間関係をつくる時間も心の余裕もない日々を振り返り、どうにかできないかと思った。血のつながった親子だけで子育てするのではなく、子どものいる人もいない人も地域の大人が『まちのおや』となり、『まちのこ』である地域の子どもの育ちにちょっと関わるのが当たり前の日常がつくれたら、孤独な子育てでも優しい気持ちになれるのではと思った」と話す。
「忙しくてイライラする平日の夜こそ集まれ、子どもも親も楽しく、親が気楽になれる場をつくりたい」と、子連れでも一人でも気軽に参加できる「まちのおやこテーブル」を2014年9月に始めた。閉店日のカフェや営業時間後の事務所での食事会など、これまでに7回開催し、延べ231人が参加。参加者からは「大人も子どもも楽しめた」という声が多く寄せられた。「親だけでなく、子ども自身にとっても楽しめる場であることを同じくらい大事にしている。『大人も子どもも楽しめた』という評価をいただけたことは、私にとってもっとも嬉しかったこと」と小林さん。
組織の運営に関わる「呼びかけ人」は小林さんのほかに、国際モンテッソーリ協会公認教師で同協会元理事の深津高子さんら3人。企画や場の運営をする「まちのおや会員」には市内で活動する人を中心に11人が登録する。「会員は思いに賛同して一緒に企画する場づくりの仲間。じっくりと関係をつくり、場をつくり上げている」という。
「まちのおやこテーブルが日常にある社会を目指し、少しずつ進んでいきたい。今後は男性やシニア世代、学生などにも広げコラボイベントもしたい。子育てを分かち合える社会をつくることが、今の社会において子育てと仕事を両立しうる一つの解になると思っている」と小林さん。開催のノウハウなどをまとめ、他地域での開催も応援する。現在、都内に住む2人がパートナー会員として、自分の住む地域での開催を目指している。
2月には、「もとまち公民館」(国分寺市東元町2)で年に一度の「まちの子と作ろう編」の開催を予定する。 1歳から参加でき、子どもと一緒に料理する。「違う世代の方や男性を誘って、参加者層の広がるきっかけにできたら」。