国立市内唯一の銭湯「鳩の湯」(国立市東2)が現在、銭湯背景画のライブペインティングなどのイベントを通じてリニューアルを目指す取り組みを進めている。
主催するのは、「国立本店」(中1)を拠点に活動する「ほんとまち編集室」を中心としたメンバー。同室長の加藤健介さんは「一昨年、国立で長く親しまれてきた『松の湯』が営業を終了し、あっという間に解体されてしまったことが一つのきっかけ。市内で唯一の銭湯となった『鳩の湯』は30代の店主・高張光成さんに世代交代し営業を続けていく決意をしていたが、資金の余裕がなく浴場のペンキ絵や壁面、天井などが傷んだままという話を聞き、応援したいと思った」と振り返る。
4月16日・17日に予定するイベントでは、国内に2人のみという80歳の銭湯絵師・丸山清人さんによるライブペインティングをメーンに、さまざまなジャンルの音楽家による「風呂や銭湯で聴きたい音楽」演奏のほか、風呂にまつわる書籍を用意し湯船での足湯読書などのイベントを予定する。地域の飲食店による当日限定のケータリングの予定も。現在、描かれている富士山も丸山さんによるもの。壁面や天井の塗り替えは高張さんの幼なじみが社長を務める塗装会社が現在、進めている。
現在、クラウドファウンディングサイト「FAAVO」で資金支援を呼び掛けている。目標金額は90万円。加藤さんは「この企画をきっかけに少しでも鳩の湯を知って興味を持っていただければ。江戸時代には街のサロン的な場所だった銭湯。街の人の協力によってリニューアルした鳩の湯は、歌会や座談会、読書会や音楽ライブなどが催される街のサロンのような場所になるかもしれない。街の新しい文化が形づくられるのを見守っているようでとても楽しみ」と話す。
支援は「リニューアル後、一番風呂入浴券」「鳩の湯特製手拭い」などの特典に応じて3,000円から8コースを用意する。3万円のコースには「丸山さんと一緒に銭湯絵の下地処理をできる権利」または丸山さんが鳩の湯のペンキ絵をモチーフに描く特製の「鳩の湯ペンキ絵柄うちわ」(8月ごろ発送予定)なども。
リニューアル後のオープンは4月18日夜もしくは19日を予定している。