JR南武線の分倍河原~谷保間に3月14日、新駅「西府」(府中市本宿町1)が開業する。
旧南武鉄道の時代、両駅の間には「本宿」と「西府」の2停留場が存在していたが、1944(昭和19)年の鉄道国有化までに廃止された。戦後間もなくより新駅設置を要望する動きが近隣地域で起こり、国鉄の民営化など時代の流れの中、西府土地区画整理事業による面整備事業の核施設として、65年以上の歳月を経て具体化した。2003年、同地区画整理組合が設立、府中市とJR東日本の三者協議を重ね、2005年6月、国土交通省が新駅設置を認可、2007年5月に着工した。
新駅舎は相対式ホームの橋上駅舎で、ガラス張りの現代的なデザイン。エレベーター2基とエスカレーター4基を据えたバリアフリー仕様で、総工費は32億円。改札付近に南北を通り抜ける自由通路を設け、駅北側にはロータリーと駐輪場を設置、路線バス2系統とタクシーの停車スペースも確保した。1日の利用客は、乗降合わせて27,200人を見込む。
府中市地区整備推進本部西府駅周辺整備担当の木藤さんは「国立と府中の中間に駅ができることで、両市や近隣の市民にとって交通の利便性が上がり、大きな効果があるだろう」と話す。「地域住民にとって西府駅は新設というよりも復活という感覚。世紀をまたぐ長年の願いが結実し、大変盛り上がっている。この駅が開業することで町が発展し、活性化することを願っている」とも。
同14日10時からオープニングセレモニーの開催も予定しており、式典後、地元20団体が参加するイベントが夕方まで開かれる予定。