多摩図書館に「東京マガジンバンク」-1万誌所蔵、創刊号コレクションも

希少な増刊号を含め、約600タイトルの雑誌を自由に閲覧できる「東京マガジンバンク」

希少な増刊号を含め、約600タイトルの雑誌を自由に閲覧できる「東京マガジンバンク」

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 都立多摩図書館(立川市錦町6、TEL 042-524-7186)に5月1日、国立国会図書館を除く公立図書館としては最大規模の雑誌数を所蔵する「東京マガジンバンク」が新設された。

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 同館は30年ほど前から雑誌を重点的にコレクションしており、これまでも、「anan」「ぴあ」「週刊現代」「週刊新潮」など、約3,000誌の「創刊号コレクション」コーナーを設けていた。雑誌愛好者の中では知られており、首都圏を中心に、明治~昭和の古く希少価値の高い雑誌の寄贈者も多いという。蔵書が増えたことや、インターネットの普及によって雑誌離れが進む現代、雑誌という表現媒体の面白さを改めて提示するため、今回のリニューアルを行った。

 現在の所蔵数は、国内外の雑誌約10,000誌で、秋までに約16,000誌をそろえる予定。「アサヒグラフ」「朝日ジャーナル」など、廃刊になった雑誌も多く有しており、約600タイトルの雑誌を常時閲覧できるほか、申し込み制で書庫に保管されている雑誌を読むこともできる。有料でコピーも可能。オンラインデータベース、視覚障害者のためのサービスなども充実させる。

 若年層の読書を推進する活動の一環として「児童・青少年サービス」も展開。児童書や児童書研究資料、育児関連本、青少年向け雑誌などを豊富に取りそろえる。中高生の調べ学習コーナー、親子で読み聞かせをできる「おはなしスペース」を新設するなど、心地良い閲覧スペースを作る工夫も。

 同館広報担当者は「販売期間を過ぎてしまうと、版元に問い合わせてもなかなか手に入らないのが雑誌のバックナンバー。図書館が所蔵していても公開はしていないケースも多い。当館で実際に手に取り、その時の最新情報や情勢、風俗など、時代を反映させる内容が詰まっている、データとしての雑誌の面白さに改めて興味を持っていただけたら」と話す。「活字離れが進み、雑誌の売れ行きも低下している時代だが、ウェブと誌面は違った魅力があるはず。若い人たちにも、両面の面白さをたくさん知っていただきたい」とも。

 7月1日まで、リニューアルを記念した企画展も開き、保有する資料の紹介をする。雑誌の創刊号を並べて年代ごとの世相を比較できるようにし、変わりゆく時代の必要と新しい図書館のあり方を提示するほか、16ミリフィルムの上映会も行う。

 開館時間は、月曜~金曜=9時30分~19時、土曜・日曜・祝日=9時30分~17時。

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