国立市は、市有財産活用の一環で市が進めている清化園(国立市谷保)の跡地活用事業の優先交渉権者大和リース(大阪市中央区)と3月25日付けで基本協定書を締結したと発表した。
清化園は、し尿処理施設と清掃工場として稼動していたが、一方で当該施設から排出されるばい煙や悪臭は地域住民の生活に著しい影響と周辺地域に暗く重苦しいイメージを与えてきた。1999年にその役割を終えた後、多摩川沿いの敷地面積約2万5,000平方メートルにも及ぶ跡地を市と公社で取得。現在は広場として市民に開放されている。
同事業は、清化園跡地活用事業の企画を同市の取り組みとしては初めて「民間資金活用型事業者提案(プロポーザル)方式」で実施。民間事業者から応募のあった活用事業企画案のうち、優先順位の高い順に清化園跡地賃貸借契約に関する交渉権を付与することとし、2007年4月に市が利用案を公募。その結果、三菱地所が2008年1月に優先交渉権を獲得したが、昨年8月に優先交渉権を辞退。その後、大和リースが優先交渉権を取得した。基本協定書は全11条で構成され、協定の目的である事業用借地権設定契約に向けて双方の協力について定めた。
大和リース担当者は「事業化に向けては法的な対応を含め今後さまざまな課題が想定されるため現段階で事業スケジュールは確定していないが、2011年度中の開業を目指したい」と話す。
今後は、双方が協力して締結した協定に基づき複合商業施設の建築・運営と事業用借地権設定契約の締結に向け具体的な協議を進める。当該事業用地に隣接する南区公会堂については解体・新築が予定されているため、「その代替施設とコミュニティー施設の設計・建築にあたっては、地域住民の声が十分に反映できるよう配慮する」(国立市担当者)という。