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東京にしがわ大学が特別授業-震災経てコミュニティーについて考える

書籍「災害ユートピア―なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか」(著者=レベッカ・ソルニット)

書籍「災害ユートピア―なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか」(著者=レベッカ・ソルニット)

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 東京にしがわ大学は4月9日、オリオン書房ノルテ店(立川市曙町2)で「コミュニティーについて考える」と題してワールドカフェ形式の特別授業を開く。

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 3月の授業は東日本大震災の翌日を予定していたため、参加学生とスタッフの安全を考え急きょ中止に。「被災者心理を考え、4月授業を開催すべきかどうかをスタッフと話し合ったが、今、東京にしがわ大学としてできることは『授業をすること』なのだという結論に至った」と同大広報担当の古川さん。

 今回の授業では、3月11日の震災当日の帰宅困難状況などの経験を経て、あらためてコミュニティーについて考えるという機会を設けるという。「災害によって、もともと私たちの中にある相互扶助の精神を立ち上がらせるという『災害ユートピア』というキーワードがある。震災当日、見ず知らずの帰宅困難者に自宅を開放する人やツイッターなどでサポートするなど、自らも災難の渦中にいながらも困っている人に手を差し伸べ、進んで自分のできることに精を出した。しかし、一方でそのユートピアが日常でなかなか生かされていないのも現実。この未曽有の災害に見舞われた今だからこそ、年齢や性別や属性を超え、広域から皆で集まり、体験を共有し、新しい時代のコミュニティーについて語り合うことに意義があると考えた」。そのため「通常の授業のように先生を立てるのではなく、参加者同士がグループで意見交換を行うワールドカフェスタイルを採用することにした」という。

 さらに、同店とのコラボレーションにより、「上を向いて読もう」と題したブックフェアも授業に合わせて展開する。「復興へと向かう今だからこそ、400万人が暮らすこの東京のにしがわを共有する仲間同士が本を通じて勇気を贈り、励まし合い、元気づけるための企画を用意した」(古川さん)。おすすめの書籍に自分たちで作成した手書きPOPを添えて、書店店頭のコーナーを通じて交流を図るコミュニティー・プロジェクトになっている。授業当日に書店員から手書きPOPの作り方を学ぶ特別イベントも用意。「『本を通じて人と人との思いをつなげる』地域プロジェクトと位置付けている。生徒以外の方にも参加いただけるので、POP作りに参加することで自らも東京にしがわを共有するコミュニティーの一人であることを実感してもらえれば」とも。

 開催時間は10時30分~12時30分(予定)。定員30人(先着順、人数変更の可能性あり)。定員に達し次第受け付け終了。申し込みは同大学ホームページで受け付けている。ブックフェアは9日~23日。

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