105円ケーキを製造販売するパティスリーミュール小平店(小平市回田町、TEL 042-326-9088)が話題を集めている。
4月25日にオープンした同店。「デフレ環境の下で高級品と日常消費型商品が明確化する中、ただ単に低価格なだけでなく心を込めた手作りケーキという形で社会に貢献するビジネスを行いたいと考えた」と話すのは同店を運営するアヴァンセ(多摩市)統括部長の脇森さん。同業態は主に九州で展開しているが、首都圏では初めての出店となる。
ケーキは、機械を一切使わずパティシエが全て手掛ける。「例えばモンブランであればフランス産のクリとバターを使い、ショートケーキにも季節のフルーツを使うなど素材にもこだわっている」と脇森さん。1個105円で提供できる理由について、「全ての商品を店内で手作りし、プチサイズで種類を16~20種に限定している。低価格の実現で多くの需要が生まれるため、1種類のケーキを大量に製造でき、ケーキのデコレーションもシンプルにすることで食材の種類が少なくて済む」という。
「一見ブティックと間違えられるような外観のせいもあり、オープン当初はなかなかケーキ店として認知されなかったが、近隣の方が徐々に足を運んでくださるようになり口コミで広まり、今では連日多くの方々に来店いただいている」とパティシエで店長の高橋さんは言う。一番人気は宮古島産の雪塩を使った「塩シュー」。既にリピーターになっている客も多く、中には神奈川県から足を運ぶ客もいるほか、土日は閉店前に売り切れてしまうこともあるという。
「これまでさまざまな洋菓子店で仕事をしてきたが、使っている材料や道具へのこだわりはそういった洋菓子店と何ら変わりはない。季節ごとのケーキやパティシエが考案したケーキなどさまざまなケーキが楽しめるので、ぜひ多くの方にご来店いただきたい」と高橋さん。脇森さんも「手作りのケーキを105円で提供することで、1個400円前後というこれまでのケーキの固定観念を打ち破っていきたい」と意気込みを語る。
営業時間10時~21時30分(売り切れ次第閉店)。