立川市在住の女性が制作したフリーゲーム「Magical×Hearts(まじかるはーつ)」がネット上で話題を集めている。
同ゲームは、乙女ゲーム制作サークル「BabyClan」が制作。「スタッフは現在、私を含めて3人。以前所属していた乙女ゲーム制作サークルがリーダーの不在で消滅したため、残ったメンバーのうち気の合う数人で新たに立ち上げた」と話すのは、立川在住で同サークルのメンバーの一人であるマリモさん。「主に同人ゲームを制作しているので、当然金銭的な利益は発生しない。プレーしていただいた方々の喜びの声と、いろいろなものに耐えながら作業を続けるうちに、生じる自分自身の内面の変化や技術の向上が報酬。それぞれ生活がある中で『ゲーム制作にどれだけ自分の時間を投入できるか?投入したいと思えるか?』といった面でスタッフ同士の足並みを調整する点に難しさを感じている」という。
内容は魔法学園もの恋愛ファンタジーアドベンチャーゲーム。公開は9月14日だが、フリーソフトダウンロードサイト「Vector」内のユーザーによる人気投票では10月、11月共に6位を獲得。現在も人気を集めている。
「今作では、限られたストーリー規模の中で、どこまでキャラクターの心理を丁寧に描写できるかというのが課題だった。会話文主体で、基本的に地の文は書かないと決めていたので、キャラの表情数を大幅に増やし、言葉からだけではなく、その表情から受け取れる情報量を増やした」という。「特に主人公は主役なので、その表情数は通常の立ち絵で124種類。特殊表示中専用のものもあるので全て合わせると150種類ほど。他にも立ち絵のあるキャラが11人おり、それぞれ40~80種類程の表情数がある。会話中はとても細かく変化するので、とにかくそれらをゲームに組み込むことがつらかったが、どれも無駄なく満遍なく使っている。同人ゲームだからこそ、こういうこだわり方ができた」
「公開以来、多くの方に楽しんでいただけていると感じている。たくさんの方から毎日のようにすてきな感想をいただけるのが本当にうれしい。今後も乙女ゲームを作っていきたい」とマリモさん。