東大和市立郷土博物館は5月25日・26日、「(仮称)東大和郷土美術園」を特別公開する。
同園は日本画家の吉岡堅二氏が1944(昭和19)年から亡くなる1990年までを過ごした邸宅。同博物館が2011年ごろから一般公開の準備を進めているが、居住用の建物のため湿度調整ができないなど絵画の保存に適さず、現在は年に2回数日のみの特別公開となっている。
吉岡氏は1906(明治39)年生まれ。20歳で「松上白鶴」が第7回帝展に初入選し、24歳で「奈良の鹿」が第11回帝展で特選を受賞。以後、芸能選奨文部大臣賞を受賞した「楽苑」など数々の日本画を発表した。「創造美術」(現創画会)の結成に参加するなど日本画の革新に尽力し、東京芸術大学教授に就任するなど指導者としても活躍。同大学中世オリエント遺跡学術調査団としてトルコ・カッパドキアの調査のほか、法隆寺金堂壁画の再現模写なども行った。享年83。
アトリエとなった室内では「雲崗大露仏」を含む日本画2点と素描、スケッチブックなど合わせて約20点を展示する。同博物館職員が庭園の草木を案内する「お庭ガイド」(各日11時~)、母屋、長屋門の解説をする「お家ガイド」(各日13時~)、ハンガリーの木製民族楽器「コカリナ」を演奏する「コカリナ・コンサート」(25日11時30分~、以上無料)も開催。
「邸宅は築150年を越える建築物で、敷地は広く緑豊か。建物と庭園を見るだけでも楽しめる」と同博物館館長の後藤祥夫さん。「過去の公開では都心からも多くの方に来ていただいた。庭園の雰囲気とよく合うコカリナの演奏も聴いていただければ」と同博物館職員の坂本卓也さんも来園を呼び掛ける。
開園時間は10時~16時。入場無料。事前申し込み不要。問い合わせは東大和市立郷土博物館(TEL 042-567-4800)まで。