一橋大学(国立市中2)の兼松講堂で9月29日、ベトナム国立交響楽団(VNSO)の一橋大学公演が行われる。主催は一橋大学「平和と和解の研究センター」、同大学生実行委員会。
同楽団は1959年創立。ベトナム戦争の苦難を超えて1984年以降はハノイのオペラ座を拠点に活動している。日本とベトナムの外交樹立40周年となる今年、初の日本ツアーを全国7カ所で行う。
日本ツアーのうち1公演が学生たちの企画で行われる。学生たちは今年3月にハノイを訪れ、同楽団の演奏に触れ楽団員とも交流を図った。「一橋大学という学問の場での公演の意義、ベトナムと日本にとっての意義、音楽が持つ力とは何かなど、さなざまな問いかけに私たち自身がアプローチし、答えを求めながら活動している」と実行委員会学生代表の加納遥香さん。
プログラムは作者不詳「入寺」(ゴ・ホァン・クァン編曲)新オーケストラ版、芥川也寸志作曲バレエ音楽「蜘蛛(くも)の糸」 (ベトナム語による語り、レ・カイン)、ベートーベン交響曲第5番。
「当公演では東西文化が重なる曲目が選ばれている。当日、兼松講堂には、日本人の指揮者本名徹次さんのタクトで、戦禍を越えたVNSOの美しい音色が響くことでしょう。めったにないこの機会に、ぜひ足を運んで平和と和解の響きをお楽しみいただければ」とも。
チケットは、前売り=3,000円(学生2,000円)、当日=3,500円(同2,300円)。全席自由。コンセール・プルミエ(TEL 042-662-6203)などで扱う。