国立市が8月から、赤ちゃんに絵本の読み聞かせと絵本を進呈する「ブックスタート」事業を始めた。
同事業は、「だれもが安心して子育てができるくにたち」の街づくりの一環。毎月第2・3金曜日に市保健センター(国立市富士見台3)で行う3~4カ月検診の終了後に、職員とボランティアスタッフが読み聞かせを行い、「赤ちゃんと絵本を楽しむ体験」と共に、図書館職員が選んだ、まついのりこさんの「じゃあじゃあびりびり」(偕成社)を進呈する。
対象は、市内に住む2014年4月以降に生まれた赤ちゃんとその保護者。このほか、赤ちゃんと一緒に絵本を楽しむためのリーフレットや図書館職員おすすめの絵本リスト、ブックスタートのマークが入ったバッグも進呈する。
市教育委員会くにたち中央図書館の軽部さんは「ブックスタートは早期教育を目的としたものではなく、親と子が絵本を通じて親子の絆を育てる。また地域の先輩ママでもあるボランティアとのつながりを持つことで心安らかな育児を応援するなどの子育て支援の側面が強い。くにたち図書館は児童サービスに力を入れており、市民ボランティアも活発に活動して、当館にふさわしい事業としてブックスタートに注目していた。5年前から1歳6カ月時健診の待ち時間に絵本の読みきかせを行うなど独自の取り組みを続けてきた」と話す。
「当初、職員やボランティアも生後3~4カ月のお子さんへの読み聞かせに半信半疑の方が多く、ドキドキしながら読み聞かせを行ったが、絵本をつぶらな目で見つめるお子さんたちや、そんなわが子に驚いたり声をかけたりする保護者の方々の姿を目にし、ほっとするとともにやってよかったとの声があがっている」と軽部さん。
保護者からは「赤ちゃんでも絵本を楽しむことに驚いた」などの感想が寄せられている。軽部さんは「これからも引き続き市民の皆さんの笑顔があふれる事業にしていきたい」と意欲を見せる。