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国分寺の日本画家・福井江太郎さんが絵本出版 原作は筒井康隆さん「駝鳥」

「駝鳥」

「駝鳥」

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 国分寺市在住の日本画家・福井江太郎さんの絵本「駝鳥(だちょう)」(六耀社)が9月の発売以来、注目されている。

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 同書は、作家の筒井康隆さんの初期の短編小説に福井さんが絵を描いたもので、筒井さん、福井さん共に初めての絵本。登場するのは砂漠を歩く旅行者とダチョウだけで、ラストは「ドキッとする展開が待っている」(福井さん)。

 福井さんは1969(昭和44)年国分寺市生まれ。1994年多摩美術大学大学院修了。曽祖父の福井江亭さんから続く画家の家系の4代目でもある。ダチョウは1992年に大学の卒業制作で描いて以来、20年以上にわたり主要なテーマとしてきた。「ダチョウの形の面白さに興味を持ち、絵のモチーフとして取り組み始めた。小さな頭に大きな体、曲線の首と直線の脚、黒い体と描く際の白い紙など、相反する形や色が盛り込まれていて、さまざまな表現が生まれた」という。

 2003年にはダチョウを描いた大作「阿・Ⅰ」が文化庁買上優秀美術作品に選出された。2013年に紺綬褒章受章。文化庁、愛媛県美術館、横浜美術館などに作品が収蔵されているほか、国内外で展覧会を多数開催している。

 福井さんは「絵本出版の構想は3年ほど前からあったが、作品世界に通じるような納得のいくものができなかった。今回、偶然に筒井さんの『駝鳥』を紹介され、直感で絵本にしたいと思った。読み手を旅人として設定し、絵本の中のダチョウと旅をしてもらおうという思いで描いた」と話す。

 立川市のオリオン書房ノルテ店(立川市曙町2)では現在、原画の複製パネル8枚を展示したフェアを開催中(10月末まで)。オリオン書房ルミネ立川店(同)、ペーパーウォールエキュート立川店(柴崎町3)、グランデュオ立川(同)のオリオンパピルスなどでも小規模のパネルフェアを開催している。

 A4変型判、33ページ。価格は1,728円。

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