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小金井の江戸東京たてもの園で「看板建築展」 写真や模型、絵画など約90点

園内に移築された看板建築。右から「武居三省堂」(文具店)、「花市生花店」、「丸二商店」(荒物屋)

園内に移築された看板建築。右から「武居三省堂」(文具店)、「花市生花店」、「丸二商店」(荒物屋)

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 都立小金井公園(小金井市桜町3)内にある「江戸東京たてもの園」で現在、東京150年記念「看板建築展」が開かれている。

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 看板建築は、1923(大正12)年の関東大震災後に中小規模の商店によって建てられた店舗併用型の木造住居で、表面に銅板やタイルなどが張られ建物自体が看板のような様相をなすことから命名され、1975(昭和50)年の日本建築学会大会で建築史家・藤森照信さんによって発表された。建築家による仮設の商店(バラック建築)の意匠などを参考にして建てられたと考えられているが、看板建築自体は施主や大工の棟梁(とうりょう)がデザインすることが多く、自由なデザインが特徴となっている。同園では現在6棟を移築・復元し、保存・公開している。

 同学芸員の阿部由紀洋さんは「看板建築が誕生して間もなく100年になる。当園では開園当初から東京の街の歴史を見つめてきた建築として、積極的に収集を進めてきた。一方で、現在、看板建築は確実に数を減らしている。震災後の東京に多数建てられた、東京発の商店建築を改めて見つめ直す機会として開催した」と話す。「看板建築だけをテーマにした展覧会は当園では初めて。恐らく全国的にも初めてではないかと思う」とも。

 展示数は模型や写真、絵画や映像など約90点。展示内容はプロローグ「看板建築の『発見』」とエピローグ「看板建築を守る『丸二商店修繕工事』」から成り、プロローグは5テーマで構成する。「第1章 関東大震災~焼け野原の東京」は資料・写真・映像で、「第2章 バラックの街並み」は看板建築の特徴を模型や写真で、「第3章 看板建築の誕生」は震災後の人々の暮らしや仮設の商店建築を絵画や写真などで紹介。「第4章 看板建築の伝播(でんぱ)」は看板建築の各地への広がりを、「第5章 看板建築の今」は保存や移築など現在の状況を紹介する。

 6月16日には、現在、江戸東京博物館館長を務める藤森さんによる講演会「看板建築発見記」(仮題)が同園ビジターセンターで開かれる。申し込みは往復はがきで6月4日まで(当日消印有効)。

 阿部さんは「展覧会観覧後に園内の実物を間近に見ていただいて、『そういうことか』と誕生の秘密やデザインの特徴などに思いをはせていただければ」と呼び掛ける。

 開園時間は9時30分~17時30分(入園は17時まで)。月曜休園。入園料は、一般=400円、65歳以上=200円、大学生=320円、高校生・中学生(都外)=200円、中学生(都内在学または在住)・小学生以下無料。7月8日まで。

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