空き家利活用や地域情報発信の拠点となる「まちの不動産」(小金井市梶野町1)が中央線・東小金井駅~武蔵境駅間の高架下にある「ののみちヒガコ東」に9月5日オープンした。運営は多摩地域を中心に創業支援・地域活性事業に取り組む「タウンキッチン」(梶野町1)。
同拠点は自転車で10分圏内エリアの価値向上を目指した不動産紹介および空き家の利活用提案をしていく。このエリアに絞った狙いをタウンキッチン広報の國廣愛佳さんは「同拠点は創業支援施設が3棟並び、100人以上の起業家が集積している場所にある。これから事業を始めようとしている人が集まる場から、不動産のあり方や今後の郊外のあり方を変えていく発信地にしていくため」と話す。
扱う物件は空き家を活用した店舗やオフィスを中心としつつ、個人の住む家など一般的な住宅も扱う。住居用、オフィス用という単一目的での物件探しだけでなく、住みながら働く場所を探したいといった複合的な使い方にも対応し、借り手のニーズに合った物件を提案する。自分らしい生活を実現するための不動産紹介や利活用提案を通じで、まちの魅力を生み出し、地域活性化を目指している。
ターゲット層については「自然環境豊かな郊外での生活を希望する子どもを持つファミリー世帯を中心とし、クリエーターなど在宅ワーク可能な働き方をする人、自宅の一角に店舗を設けて賃料削減を図りたい人、子育てを機に職住近接のために仕事と住まいを見直す人、実家を相続したがその使途に困っている人などを想定している」と國廣さん。
既に起業家からの問い合わせもあり、子どもの成長に合わせ賃貸から所有へと住み替えるタイミングで、その先の働き方を念頭に置いた物件探しをする人が多く、戸建住宅の一角に店舗を開いたり、事務所を開いたりすることを志向しているという。
同拠点の地域社会における役割として、國廣さんは「住むという目的だけにとらわれず、既存の住宅ストックの活用方法を提案する役割を担っている。使われなくなった実家をただ貸したり売ったりするのではなく、まちに有効に使いたいといった物件オーナー側のニーズも多く、今後そういった相談に応える提案も行っていきたい」と話す。
営業時間は11時~18時。水曜・日曜・祝日定休。