「もつやき処 アラマサ」(立川市錦町1、TEL 042-527-3737)が2月16日、10周年を迎えた。
店主の新尾将之さんは国分寺の「もつ焼き処うめづ」で修業後、妻の優子さんと開業。中央線沿いの荻窪~国分寺付近で「焼き場から店全体が見渡せる物件」を探す中、知人の紹介で立川に店を構えた。駅前の喧騒(けんそう)から少し離れたビルの一角に、明かりがともるようなオレンジののれんが掛かる。
新尾さん自ら和光のと畜場(牛や豚をさばくところ)で解体を手伝い、市場に卸す前に買い付けた新鮮な生のモツを、客の食べるペースに合わせて「最高のタイミングで」焼き上げるという。
「あらかじめ下ゆでされたものを使う店も多いが、モツは鮮度が大切なので、串に刺すまでの手間を惜しまない」と優子さん。「個人店でしかできないことにこだわりたい」とも。
味付けは、部位により塩・たれ・しょうゆを使い分ける。継ぎ足して使う元タレは修業先の「うめづ」から分け継ぎ、ルーツは「もつ焼き処 い志井」(調布市)初代社長が戦前から継ぎ足していたものにさかのぼる。
メニューは、もつ焼き(れば・たん・はつ・かしら・はらみ・なんこつ・てっぽう・しろ=以上140円、がつ・ちれ・さお=以上120円)、ズッキーニ・長いも(以上120円)、もつ煮込み(400円)、季節のサラダ(550円)、テークアウトおまかせ串盛り(5本=600円、10本=1,200円、容器代別途)など。その他、季節に合わせたお薦めメニューが黒板に並ぶ。「もつ焼きと併せて、焼きソラマメなど一品料理で季節感を楽しんでいただければ」
「駅から少し離れていても、好きだからと来てくれるこの場所が気に入っている」と優子さん。家族連れや、都内や山梨など遠方から訪れる客も多く、コロナ禍で迎えた10周年には常連客が続々とお祝いに駆け付けたという。「こんな時代だから、知った顔が安心するのかもしれない」とも。「おいしいモツを食べたかったら、ぜひお越しいただければ」と来店を呼び掛ける。