立川市郊外の農園「井上農園」(立川市富士見町3)で9月15日と23日、シェイクスピアの朗読劇「ART in FARM 2008」が開催される。
同イベントは、美しい景観を持つ緑地としての農地の保全と存続や、アートとの結びつきにより農業の活性化を目指す運動「アートファーム」実行委員会が主催するもの。イベント開催は今年で2回目。
委員長を務める同園主の井上さんは、ブドウやナシ畑を営むほかに、都市計画に関する建築に携わる兼業農家。同センターで教員を務める植木さんが隣家に引っ越してきたことをきっかけに親交を深め、以前より考えていた「アートファーム」の企画を実現するに至ったという。
「都内近郊では緑地が激減し、ヒートアイランド現象や都市水害などの環境問題も多発している。残された緑地である農地を、都市生活者、農業従事者双方にとってメリットのある美しい景観を持った公共空間として存続できないかと考えた。農地でのアートパフォーマンスという意外性のある組み合わせに、農業に関心の薄い若い世代が農業や緑地の価値を再認識し、社会教育の一環として活動するネットワークを広げるのが狙い」と植木さん。
演目は、15日=「真夏の夜の夢」、23日=「お気に召すまま」。どちらも「農園」「田園」をモチーフとしたシェイクスピアの喜劇作品。宮廷・都市と田園・森といった空間の対比が登場することから選ばれ、「東京シェイクスピアカンパニー」が上演する。リュートの演奏と作品解説も。現在明治学院大学の学生ボランティアによる準備が進められており、農園で使用するハウスの材料を使用した会場作りなど、若者のアイディアが随所に盛り込まれている。当日はブドウ狩りや即売も行う。
植木さんは「現在、各回とも40人程度の予約が入っている。さわやかな風の吹く初秋の夕暮れ時、緑の中でシェイクスピアの物語の世界を楽しんでいただければ」と参加を呼びかける。「ワンドリンクサービスのワインも魅力の一つ」とも。
17時開場、18時開演。入場料は2,000円(学割1,500円)。定員は100人ほど。小雨天決行。予約は、電話、ファクス、メールで受け付ける。