将棋界8大タイトルの一つ「王将戦」の「第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第4局 立川立飛対局」が2月11日・12日、「SORANO HOTEL(ソラノホテル)」(立川市緑町3)で開かれた。挑戦者の藤井聡太四冠が渡辺明三冠に4連勝し5つ目のタイトルを獲得し、史上最年少19歳才6カ月で「五冠」を達成する歴史的快挙となった。
「王将戦」七番勝負は、挑戦者の藤井四冠がタイトル保持者の渡辺三冠に3連勝し、タイトル獲得に王手をかけた状態で第4局を迎えた。序盤は速いテンポで進んだものの、60手以降は互いに長考を重ね、12日18時23分、藤井四冠が114手で渡辺三冠を破り、七番勝負を4勝0敗のストレート勝ちで王将位を奪取した。
竜王・王位・叡王・王将・棋聖の「五冠」をわずか19才で獲得した藤井さん。史上4人目となる五冠達成は、羽生善治九段が保持していた22歳10カ月を1年以上も上回り28年ぶりの更新となった。羽生九段は「19歳での五冠達成は驚嘆すべき大記録。一方で昨今の内容の充実ぶりを考えると不思議ではないとも思う。今回の王将戦のシリーズは激戦の対局が続いたが、その中で藤井さんの紙一重の強さが光った」と話した。
五冠達成について、「過去に五冠になられた方は、時代を築いた偉大な棋士の方ばかりなので、とても光栄に思う。自分の場合はまだまだ、そういう立場に見合った実力がまだ足りないかなあ、という風にも思うので、今後、さらに実力をつけていく必要がある」と藤井さん。
会場は、昨年に続き2度目の王将戦開催地となったソラノホテル。立川の印象について、「立川は今回初めて訪れたが、対局室の窓の目の前の公園(昭和記念公園)や、遠くに富士山も見えて、都会でありながら自然が豊かなところなのかな、という風に感じた」と話した。