「立川松栄寿司(ずし)」(立川市富士見町7)が、45周年を迎えた。
愛犬を連れて食事ができる同店。店主の河野次則さんは愛媛県内子町生まれ。20歳で上京し、親戚の店で修業を積み、27歳で立川富士見町団地そばの現在地に独立開業した。
みそ汁とサラダ、コーヒーが付くランチメニューは、「まぐろ山かけ丼」(1,650円)、「まかない丼」「サーモン丼」「刺し身定食」「アジフライランチ」(以上1,100円)。ディナーメニューは、「梅にぎり」(1,320円)、「特上にぎり」(2,750円)、「梅ちらし」(1,430円)など。犬にはマグロの血合いとスープを提供、誕生月の犬には予約制で卵とごはんのケーキを無料で進呈する。
河野さんは「マグロを主軸に天ぷらやつまみをそろえて、おいしいという声が聞きたくて頑張っている」と話す。
店には、いずれも犬向けのしつけ教室とホテル、保育園を併設。20年前、死にそうな迷い犬を世話したことをきっかけに犬の飼育に興味が湧き、8年間にわたりブリーダーをサポートしたり、犬のしつけ教室で学んだり、売れ残りの犬を引き取ったりして知識や飼育の経験を深めたという。
店も愛犬連れで食事ができるようにしたが当時は珍しく、周囲からは反対の声が上がったという。「犬を取るか店を取るかと言われたが犬を選んだ」と河野さん。保健所にも承諾を得て、ドッグカフェやインターネットの普及もあって情報が広まり、県外からも客が訪れるようになったという。
飼い犬を亡くしたことをきっかけに10年前、「新しい犬を飼っても自分が先立つかもしれない」と店の2階に「ペットホテル立川」を開業。動物取扱業の登録を受け、しつけ教室や飼い主の留守中に飼い犬を預かる保育園も開いた。河野さんは「無駄ぼえやかみ癖があるなど、犬の育て方に困っている飼い主の力になりたい」と話す。
6月2日には、保育園に通う犬や散歩仲間ら河野さんを慕う飼い主が犬連れで集まり45周年を祝った。パーティーの企画者でゴールデンリトリバーのはっせ君と共に会場を訪れた宮城さんは「子犬のしつけに悩んでいた時、店主と出会いアドバイスしてもらった。常に犬の気持ちを大切にしながら接する姿には感銘を受ける」と話す。
すし店の営業時間は、ランチ=11時30分~15時、ディナー=15時~22時。木曜定休。